『あんぱん』細田佳央太、「朝田家の家族の一員になれた気がして、こみ上げてくる感情がありました」

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連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合/毎週月~土曜8時ほか)で、釜次(吉田鋼太郎)の弟子・原豪を演じる細田佳央太(かなた)がオフィシャルコメントを寄せ、豪が蘭子とお互いの気持ちを伝え合う場面を振り返った。
【写真】岩男(濱尾ノリタカ)が蘭子に求婚! 細田佳央太、石をたたく音で「豪の動揺を表現した」
本作の主人公は、漫画家・やなせたかしさんの妻・小松暢さんをモデルとした朝田のぶ。何者でもなかった2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現したアンパンマンにたどり着くまでを描く。
細田佳央太が演じる原豪は、釜次のことを尊敬してやまない、若き石工。朝田家の一部屋に住まわせてもらっている。
細田は豪の人物像について、「自分から言葉を発することはありませんが、朝田家の皆さんに常に寄り添う心を持っている人物ですね。セリフがそこまで多くないので、直接会話に入っていなくても、それに対しての反応で豪の感情の変化を見せていかなければならないと思っています。クランクインが第6週のヤムさん(阿部サダヲ)と釣りをするシーンだったのですが、最初にあのシーンを撮影できたことで、豪の全体的な方向性が決まった感じがします。阿部さんとのお芝居も安心できて、緊張せずに臨めましたし、とても印象深いシーンですね」と語る。
師匠である釜次は豪にとってどんな存在か聞かれると、「第2のお父さんだと思います。セリフに「読み書きも、尺の使い方も、石のことも、全部、親方から教わりました...親方が、わしの学校でした」とありましたが、それ以上に、この時代の男としての振る舞い方を教わっているような気がします。吉田さんはとにかくアドリブで遊びを入れてくださる方で。特にリハーサルだと、毎回変えてこられるんですよ(笑)。返せないのが悔しいくらいすてきなものを投げてくださるので、勝手に反省していることが多いです。ついていくのに必死ではありますが、そのやりとりも楽しいですし、本当に師匠と弟子のような感じですね」と話す。
実はずっと、のぶの妹・蘭子(河合優実)に思いを寄せていた豪。彼が蘭子のどのようなところに惹かれていたかと問われると、「蘭子さんは何よりも家のことを一番に考え、家族を大事にしている方で。しっかりしていて面倒見がよく、視野が広い。そんなところに惹かれたんだと思います。第5週で岩男(濱尾ノリタカ)さんが蘭子さんに結婚を申し込みに来ましたが、豪としてはもう心臓がバックバクで(笑)。そのあと出勤する蘭子さんが作業場の横を通るときに、演出の方から『石をたたく音で感情を表現してほしい』と言われ、豪の動揺を音で表現した場面もありました」と撮影秘話を明かした。
そんな豪に召集令状が届き、壮行会が開かれるなか、その後、豪と蘭子とお互いの気持ちを伝え合う場面も。「この時代、戦争に行くことはとても誉れのあることで。豪としてはネガティブな感情はありませんが、唯一の心残りは蘭子さんとの仲をそのときにはまだ縮め切れていなかったこと。だからこそ、二人の思いが通じ合うシーンは、台本を読んだときから感動的なシーンだと感じていました」と振り返る細田。
「蘭子役の河合さんとは3度目の共演ですが、一緒にお芝居をしていると、より集中して意識を広げないといけない瞬間がたくさんあり、すごく背筋が伸びる感覚があります。それが楽しいですし、刺激をもらえる方ですね。このシーンの撮影も、河合さんとのお芝居で生まれるものに従おうという気持ちだったので、細かいことや方言すらも一切気にせずに臨みました。羽多子(江口のりこ)さんから『豪ちゃん、蘭子をよろしゅうお願いします』というセリフを受けますが、そこで初めて朝田家の家族の一員になれた気がして、こみ上げてくる感情がありましたね」と明かし、「戦争もありますし、物語の中でそれぞれの苦難もたくさん描かれていますが、その中でこのシーンが輝いて見えていればいいなと思います」と語った。
連続テレビ小説『あんぱん』は、NHK総合にて毎週月~土曜8時ほか放送。