“上級国民”の鮮やかすぎる人間狩りとは――? 『我来たり、我見たり、我勝利せり』本編映像&場面写真解禁

ダニエル・ヘールス、ユリア・ニーマン両監督によるオーストリア映画『Veni Vidi Vici(原題)』が、邦題『我来たり、我見たり、我勝利せり』として、6月6日より全国順次公開されることが決定。上級国民であるアモンが優雅に人間狩りを行う衝撃的な本編映像と場面写真が解禁された。
【動画】“上級国民”の戯れはやっぱりヤバい――映画『我来たり、我見たり、我勝利せり』人間狩りシーン映像
本作は、「ユーモアは危険な時にこそ最高に力を発揮する」という信念を持ち、観る者に笑いと怒りを同時に起こさせる『Davos』(未公開)の監督デュオ、ダニエル・ヘールス、ユリア・ニーマンの日本初公開作品。金持ちのアンタッチャブルさを極限まで誇張し、歯止めがないシステムの結末と、人々が自分の行動に責任を持たない世界の危険性を明らかにする。製作は、カンヌ、ベネチア、ベルリンの世界3大映画祭を賑わせた『パラダイス三部作』『サファリ』のウルリヒ・ザイドル。
このたび、本作の主人公であり、“上級国民”と呼ばれる法でさえ彼を裁くことができないほどの大富豪、アモンの趣味である“人間狩り”のシーンが解禁となった。映像は「誰が私を止めるのか? それが問題だ」というアメリカにおける新自由主義思想の象徴とも呼ばれるアイン・ランドの言葉から始まる。
山道をサイクリングする男。急勾配の坂道を登っている最中、映像が引きになった瞬間、銃声とともに肩を撃ち抜かれる。突然の出来事に一旦ガードレールにもたれかかり、傷口を確かめようとするや否や、男は2発目の銃弾を撃ち込まれ、そのままの勢いで後ろに倒れ崖に突き落とされてしまう。
そこに、同じくサイクリングウエアを着てヘルメットを被り、左手には猟銃を持った男と、大きなカバンを持った男が現れる。大富豪のアモンとその執事アルフレートだ。アモンはすれ違う他のサイクリストたちにも愛想よく挨拶をかわし、その堂々たる振る舞いに彼を不審に思うものはいない。
アルフレートがカバンから靴を取り出すと、アモンはそれに履き替え、猟銃をアルフレートに手渡す。そして、何事もなかったかのように、自らが殺した男の自転車にまたがるのだった。アルフレートは「リサイクリングですね、ご健闘を」とハイタッチを交わし、アモンは颯爽と走り去る。全身に風を浴びながら、昂ったアモンは快感の雄叫びを上げる。
さらに、アモン・ファミリーの仲睦まじさと、桁外れの財力が窺える場面写真も解禁となった。家族で射的に興じるシーンや、長女のクリケットの試合を観戦する場面など、常にアモン一家は家族みんなで行動し、そしてとても楽しんでいるようだ。自宅は信じられないほどの豪邸で、日本ではなかなかお目にかかれないレベル。天井も庭の端も見えない。そう、アモンは超富裕層であり、趣味である人間狩りを誰も止めることができないのだ。
アモンは“狩り”と称し何ヵ月も無差別に人を撃ち殺し続けている。そして、娘のパウラは、そんな父親の傍若無人な姿を目の当たりにしながら、“上級国民”としての振る舞いを着実に身につけていく。アモンを裁くことはできるのか? 恐ろしいほど不快なこの物語にあなたは果たして耐えられるか?
映画『我来たり、我見たり、我勝利せり』は、6月6日より全国順次公開。