北村匠海、綾野剛、林裕太が生まれ変わったらやってみたいこととは? 映画『愚か者の身分』完成披露レポート

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北村匠海が主演、綾野剛、林裕太が共演する映画『愚か者の身分』の完成披露試写会が9月24日に行われ、北村、綾野、林、永田琴監督が登壇。釜山国際映画祭の感想や撮影の雰囲気を語り、映画にちなんだトークも繰り広げた。
【写真】北村匠海、綾野剛、林裕太、永田琴監督が「生まれ変わったらやってみたいこと」を回答!
本作は、愛を知らずに育った3人の若者たちの青春と、闇ビジネスから抜け出す3日間を描く逃亡サスペンス。
釜山国際映画祭からの凱旋上映となったこの日、闇ビジネスに手を染める主人公・タクヤを演じた北村は「第30回釜山国際映画祭初のコンペティションの場に、まさか自分たちが立てるというのも感慨深かった」とレッドカーペットの感想を述べ、「自分として初めての国際映画祭の場に行かせていただいたので、このメンバーで行けて良かったですし、焼肉も食べに行って本当に美味しかったです」と笑顔で報告。
タクヤと共に闇ビジネスに手を染める若者・マモル役の林は、レッドカーペットの翌日に行われたワールドプレミアと記者会見にも参加。「現地のお客さんと一緒に観て、笑い声や涙で鼻を啜る音が聞こえてきたりして、お客さんの感情の動きを生で体感できたのは貴重でした」としみじみ。
タクヤが闇ビジネスの世界に入るきっかけとなった兄貴的存在・梶谷役の綾野もレッドカーペットを振り返り、「声援にどのように答えていけばいいのか知らないことが多くて、自分たちはお客さんやファンを通して学ばせてもらう事が多いと思った」と発見があった様子。
永田監督は「大声援の中、レッドカーペットを歩かせていただきました。祝福される中でコンペティション部門に選ばれたことを実感して、世界が注目してくれたことに対して嬉しかったです」と喜びを伝えた。
子役時代に『TAJOMARU』『シュアリー・サムデイ』で作品を共にし、そして『幽☆遊☆白書』で綾野と再会したという北村は、「『幽☆遊☆白書』では1ヵ月くらいアクションシーンで戦いっぱなしで、敵役だったので顔も見たくないくらいだった(笑)」と苦笑すると、綾野も「ずっと殴り合っていたので、いつか普通にお芝居ができる役で再会したいね、と言っていました」と回想。今作の顔合わせに北村は「剛さんで良かったと思う瞬間が毎日ありました。この二人でなければ出来なかったシーンが後半にいっぱい詰まっています」と手応え十分だった。
綾野も北村に全幅の信頼を置いており、「人としてシンパシーを感じているし、フルスイングの仕方が自分に近い。表情が見えていなくても、声でどんな表情をしているのかわかるので、信頼と安心感がありました」と実感を込める。
一方、北村・綾野との初共演に林は、「偉大な大先輩のお二人と芝居する事に緊張していました。最初は食らいついていかなければと思っていたけれど、匠海君も剛さんも一緒に戦おうという態度を見せてくれて、そこに救われました」と懐の広さに感謝していた。
また真夜中に敢行されたという歌舞伎町でのロケについて林は「刺激的でしたし、ゆっくり撮影が出来ないので、匠海君とは別場所で待機していて本番直前に出てそのまま芝居をしました。それによって芝居の入り方がナチュラルで控室の空気のまま出来たのを覚えています」と懐古。北村も「深夜の撮影でリアルな歌舞伎町でロケさせていただいた。二人ともこの空気の中で生きている若者を演じているので、リアルな空気を肌で感じながら出来た」と見どころに挙げた。
『新宿スワン』シリーズ以来のリアル歌舞伎町ロケだったという綾野は「街の空気はその当時とは違うし、改めてその瞬間今起こっている事を丁寧に見なければいけないと思った。それくらいの速度で動いている街」などと評した。
また映画のタイトルにちなんで“自分は「愚か者」”だと感じる瞬間は?というトークになると、北村は「欲望に負けて深夜にラーメンを食べる事があって。その愚かさがある」とシリアストーンで告白。すると綾野も「深夜に食べるあれ、なんであんなに美味いんだろうね…」とボソッと共感。さらに北村が「しかも買い溜める。仕事から疲れて帰って来た深夜にこっちを見ていて、ついついお湯を入れて食べてしまう」と懺悔すると、綾野は「あれは愚かだよ、人間の業」と唸る一幕も。
続いて、本作のキャッチコピー「生まれ変わるんだ」にちなんで、「生まれ変わったらやってみたいこと」を発表。「ヤドカリ」という北村は「役者はヤドカリに似ている。今回僕はタクヤを演じたけれど、次は違う役に引っ越しして…」とヤドカリの生態を自身の仕事に重ねながら「ヤドカリを見て思ったけれど、センスのいい貝のヤドカリもいるし、『その貝は無しなのでは?』というヤドカリもいる。それを見ているとヤドカリにもセンスってあるんだと思った。昔はイルカになりたいと思ったけれど、今は生まれ変わるならばヤドカリになってオシャレな家を探したい」と妄想。
綾野は日本語以外の言語で芝居をしてみたいという思いから「言語」、永田監督は振付師への夢があったことから「ダンサー」と述べた。
一方、先日まで東京で開催されていた世界陸上に刺激されて「世界一速く走りたい」と書いた林。すると、陸上部出身の綾野が反応、しかも林も学生時代は同じく陸上部だったそうで、綾野は「え? 800m? いいねー!」と大興奮。そして「僕も言語ではなく陸上にしたかった。今持ってる知識でもう一度走ることが出来たらどれくらいまで行けるのか知りたい」といい、「(世界陸上)最高だったよね~!」と語り合いたい様子。すると北村は「僕も一応速かった。小3からずっと選抜リレーに出て高校3年ではアンカー。マラソン大会も学年10位でね。でも僕はバスケ部」とまさかの俊足な過去を打ち明けると、綾野も「バスケ部は強いよね~!」と陸上あるある話に花を咲かせていた。
最後に主演の北村は、劇場公開に向けて「生きるという事をこの3人がどうバトンしていくのか、そんな映画ですが、役者という面でも剛さんから受け取ったものもありますし、それをどう裕太に残せるのか。最後に皆さんが裕太から何を受け取るのか。そこがこの映画の美しい循環だと思っています。この映画から何かを受け取っていただき、さらにこの3人を愛していただければ幸いです」と呼び掛けていた。
映画『愚か者の身分』は、10月24日より全国公開。