中村芝翫が『リア王』に挑む! 新橋演舞場で9月上演 共演に松下由樹、三浦涼介、朝月希和ら
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■中村芝翫
この度、リア王という大役を勤めさせて頂きます。この作品は皆様もご存知の通り、シェイクスピア四大悲劇のひとつで、これまで数多の名優がリアを演じ、劇界に大きな刺激を与え続けてきました。その歴史に、新たな1ページを刻む機会をいただけました事を大変嬉しく、有り難く思っております。
そして、芝翫を襲名して今年でちょうど10年目となります。その節目となる年に、このような素晴らしい作品やスタッフキャストの皆様に巡り会え、演出の井上尊晶さんと共に再びシェイクスピア作品に挑める事を心より感謝しております。
鷹揚の御見物を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
■演出:井上尊晶
蜷川幸雄が亡くなって10年になります。彼と出会って亡くなるその一瞬までの30年を同じ空気の中で闘ってきました。その節目の年に出会えたリア王という作品は僕の想像力を掻き立てました。
老いとは。死とは。忘恩とは…突きつけられた人間の根源的な「問い」。
登場人物全員が持つ各々の怒りは17世紀頭にシェイクスピアが投げかけた世界に対する絶望の一つの「答え」なのか。
2026年の世界に生きる僕は、この「大きな物語」を恐れずに現実と拮抗したい。
人はどうして暴力的で、なのにどうして美しいのか…この激しい感情を荒ぶる魂でオセローを演じた中村芝翫さんはじめ舞台経験豊かなキャストと、卓越したスタッフと作り上げていきます。石井美樹子先生の真訳を通して。
新橋演舞場でお待ちしております。
■訳:石井美樹子
『シェイクスピアと鏡の王国』(1989筑摩書房)を出版して袋叩きにあい、再起不能におちいっていたとき、蜷川幸雄氏から励ましのお手紙をいただいた。そして、わたしは再び学問の世界に戻った。脚本の言葉を重んじる蜷川氏に捧げようと、2012年にシェイクスピア劇の翻訳を開始、四大悲劇が完成したのは2021年(『真訳 シェイクスピア四大悲劇』河出書房新社)。真っ先にお届けしようと思っていた方は、もうこの世におられなかった。無念の思いは深く、感謝の気持ちは計り知れない。このたび、蜷川氏の演出助手を長年つとめた井上尊晶氏によって、シェイクスピア劇の神髄ともいえる「リア王」が松竹株式会社によって舞台化されるのは言葉にならないほど嬉しく、天の恵みに思えてならない。

