菅原文太さん、「最後の対談」が発売 魂をぶつけた遺稿の内容とは

先月亡くなった菅原文太氏(享年81歳)が、晩年、最も情熱を注いだといわれる連載対談を収めた小学館のPR誌『本の窓』から、表紙に大きく赤い文字で「菅原文太の魂が、ここにある!」と書かれた追悼号が発売された。菅原氏の遺稿ともいえる最後の対談が掲載された追悼号では、人生を賭けて始めた「農業」について熱く語っている。
【関連】菅原文太さんが表紙の『本の窓』追悼号&『ほとんど人力』表紙
俳優として第一線で活躍してきた菅原氏は、かねてから原発、憲法、農業などの社会問題にも強い関心を寄せており、晩年、その思いをぶつけ真剣に取り組んできたのが本誌の連載対談だった。2010年にスタートした本企画は、4年間で43回、登場者35人にのぼり、対談相手はすべて菅原氏がアレンジ。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、元経産省の古賀茂明氏、イラストレーターの黒田征太郎氏など、各界の蒼々たる面々が顔をそろえた。
そして今回、菅原氏の遺稿ともいえる最後の対談を掲載した追悼号が発売された。対談者は発酵学者・文筆家の小泉武夫氏で、実施日は亡くなる直前の10月18日。日本の行く末を案じる菅原氏は、俳優業に区切りを付け、人生を懸けて取り組んできた「農業」について、魂を込めて語っている。
また、本企画を始めるにあたって菅原氏が力強く語った貴重な肉声や、鳥越氏が菅原氏と対談をした時の様子についても振り返っている特別寄稿「文太さんのこと」なども掲載され、追悼号にふさわしく内容も充実。さらにPR誌ということから100円という価格もファンにとってはうれしい限りだ。本誌対談をまとめた生前最後の単行本『ほとんど人力』(2013年7月刊行)も併せて読めば、菅原氏が伝えたかった魂のメッセージをより鮮明に理解できるのではないだろうか。