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世界各国で上映禁止となった“異常な傑作”『アングスト/不安』劇場初公開

映画

映画『アングスト/不安』チラシビジュアル

映画『アングスト/不安』チラシビジュアル(C)1983 Gerald Kargl Ges.m.b.H. Filmproduktion

 オーストリアで実際にあった殺人鬼による一家惨殺事件を描き、同国で1983年公開されたもののすぐに打ち切られ、欧州諸国では上映禁止となった映画『ANGST(原題)』が、邦題を『アングスト/不安』として7月3日より全国順次公開されることが決まった。日本での劇場公開は初めて。併せてチラシビジュアルが解禁された。

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 本作は、1980年にオーストリアで実際に起きた殺人鬼ヴェルナー・クニーセクによる一家惨殺事件を映画化した実録スリラー映画。刑務所出所後の殺人鬼=狂人が感じる不安やプレッシャーによる異様な行動と心理状態を、凶暴かつ冷酷非情なタッチと斬新なカメラワークを用いて表現。狂人自身のモノローグでつづる構造や全編に徹底された陰うつなトーンなど、他に類を見ない芸術性を発揮した衝撃的作品となっている。

 米映画サイト「Taste of Cinema」が選ぶ「史上最もダークなシリアルキラー映画」では、『ヘンリー』(1986)、『セブン』(1995)、『ハウス・ジャック・ビルト』(2018)などを抑え、堂々の1位を獲得。広義で“おそろしい映画”としては、『悪魔のいけにえ』(1974)が放つ存在感と同次元で語られ、世界的に唯一無二の傑作として捉えられている。

 しかし、1983年公開当時はそのショッキングすぎるすさまじい内容により本国オーストリアでは1週間で上映打ち切り、他の欧州諸国でも上映禁止、イギリスとドイツではビデオの発売も禁止。米国ではXXX指定を受けて配給会社が逃げたという逸話も。日本でも劇場公開されず『鮮血と絶叫のメロディー/引き裂かれた夜』というタイトルで1988年にレンタル用VHSが発売されたが、世の中に出回った数は極少、ほぼ誰にも見られることなく地下に埋もれ、以降見たくても見られない作品となり、現在に至っている。

 メガホンをとったのは、殺人鬼の心理を探るという崇高な野心のもと全額自費で本作を製作したジェラルド・カーグル。本作はその唯一の監督作品である。見る者を冷徹な世界へ誘う、不穏なエレクトロサウンドを手掛けたのは、元タンジェリン・ドリーム、アシュ・ラ・テンペルの作曲家クラウス・シュルツ。また、狂人が内に秘めた”不安“をアーティスティックなカメラワークで映し出したのは、アカデミー賞最優秀短編アニメ賞を獲得した『タンゴ』(1981)やジョン・レノン、ミック・ジャガーらのMVで知られる世界的な映像作家ズビグニェフ・リプチンスキ。

 チラシビジュアルは、俳優のアーウィン・レダーふんする殺人鬼K.が目も口も大きく広げ、暗闇で何かを叫ぶ顔を紙面いっぱいのアップで捉えたもの。この日本オリジナルのビジュアルをカーグル監督もたいそう気に入り、特に色合いを絶賛、「素晴らしい。見事だ」と表現した。

 映画『アングスト/不安』は7月3日より全国順次公開。R15+指定。

※本作は、1980年にオーストリアで実際に起こった事件を描いております。当時の司法制度では裁ききれなかった為に発生した事象であり、本映画をきっかけとして以降大きく制度が変わりました。劇中、倫理的に許容しがたい設定、描写が含まれておりますが、すべて事実に基づいたものであります。本作は娯楽を趣旨としたホラー映画ではありません。特殊な撮影手法と奇抜な演出は観る者に取り返しのつかない心的外傷をおよぼす危険性があるため、この手の作品を好まない方、心臓の弱い方はご遠慮下さいますようお願い致します。またご鑑賞の際には自己責任において覚悟して劇場にご来場下さい。

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