「笑え、殺したいほど憎くても」 佐藤二朗監督×山田孝之主演『はるヲうるひと』本予告解禁

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俳優の山田孝之が主演し、佐藤二朗が原作・脚本・監督を務め出演もする映画『はるヲうるひと』より、本予告映像が解禁された。
【動画】「笑え、殺したいほど憎くても」 映画『はるヲうるひと』本予告
本作は、佐藤が主宰する演劇ユニット「ちからわざ」で2009年に初演、2014年に再演された舞台が原作。架空の島にある売春宿を舞台に、生きる手触りがつかめず、死んだように生きる男女が、それでも生き抜こうともがく壮絶な闘いを描く。映画化を望んでいた佐藤が、約5年の歳月を掛けて完成させ、キャスト陣には主演の山田のほか、仲里依紗、向井理、坂井真紀、監督の佐藤らが名を連ねる。
その島は、至るところに「置屋」が点在する。本土からは日に二度連絡船が出ており、客の往来の足となっている。住民たちはこの閉塞された島で一生を過ごし、女は客から「外」の話を聞いて思いをはせる。男は、女たちのそんな「夢」を一笑に付して留まらせる。
ある置屋にその「三兄妹」はいた。長男の哲雄(佐藤)は店を仕切り、その凶暴凶悪な性格で恐れられている。次男の得太(山田)は哲雄にこびへつらい、子分のように従っている。長女のいぶき(仲)は、長年の持病を患い床に伏している。ここで働く4人の個性的な遊女たちは、哲雄に支配され、得太をバカにし、いぶきに嫉妬していた。女を売る家で唯一女を売らず、それどころか優遇された箱入り娘。しかも、いぶきはだれよりも美しかった。その美しいいぶきを幼少から見守り寄り添う得太であった。
本予告映像は、得太(山田)が、島で客引きをする場面から始まる。続いて、置屋で働く女性陣をはじめとする登場人物たちが、悩みを隠しながら必死に生きている様子が映し出されていく。得太に「お兄ちゃんにとっての現実ってなに?」と問ういぶき。「今日は客何人連れてきた?」と哲雄から問われ「ゼロです」とうなだれる得太。「得太さんといぶきさんって、何であんなに、哲雄さんに目の敵にされとるんじゃろうか」。やがて、兄と妹を苦しめ続ける家族の残酷な過去が浮かび上がってくる。
終盤では、「何にもないんだよ私には!」と感情を爆発させるいぶきの姿やキャスト陣が次々と映し出されるほか、「笑え、殺したいほど憎くても。」「これは、映画を超えた魂の記録なのかもしれない」といったキーフレーズ、得太がいぶきを抱き寄せるエモーショナルな場面などが収められている。
映画『はるヲうるひと』は6月4日より全国公開。