“戦後最悪のジェノサイド”描くアカデミー賞ノミネート作『アイダよ、何処へ? 』公開決定
第二次世界大戦後の欧州最悪の悲劇「スレブレニツァ・ジェノサイド」を描き、本年度アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた『Quo Vadis,Aida?(原題)』が、邦題を『アイダよ、何処へ?』として、9月17日より全国順次公開されることが決まった。
【写真】『サラエボの花』(2006)フォトギャラリー
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争末期の1995年7月に起きた戦後最悪のジェノサイド(集団虐殺)とされる「スレブレニツァの虐殺」で、いったい何が起きたのか―? 本作は、同国東部スレブレニツァで約8000人のイスラム教徒が虐殺された惨劇から25年という節目に、国連平和維持軍で通訳として働く女性アイダが必死に家族を守ろうとする姿を通し、その真実を描く衝撃のドラマ。
監督は、31歳の時に発表した長編デビュー作『サラエボの花』が2006年ベルリン国際映画祭の金熊賞を受賞し、世界に注目されたヤスミラ・ジュバニッチ監督。以降、『サラエボ、希望の街角』などをはじめ、一貫して故郷ボスニア・ヘルツェゴヴィナの悲劇、1992年から95年のボスニア紛争の傷痕を描き続けている。本年のベルリン国際映画祭では審査員も務め、欧州を代表する気鋭の女性監督だ。
その最新作となる本作は国際映画祭・賞レースで多数受賞を重ね、アカデミー賞では、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ映画としては外国語映画賞受賞作『ノー・マンズ・ランド』(ダニス・タノヴィッチ監督作)以来19年ぶりに、本年度の国際長編映画賞にノミネートされている。
1995年夏。セルビア人勢力によって占拠されたボスニア・ヘルツェゴヴィナの町スレブレニツァには、2万5千人もの住人たちが保護を求めて国連基地に集まっていた。国連平和維持軍で通訳として働くアイダは、交渉の中で極めて重要な情報を得ることに。セルビア人勢力の動きがエスカレートし、基地までも占拠しようとする中、アイダは逃げてきた同胞を、そしてその中にいる夫と息子たちを守ることができるのか。
映画『アイダよ、何処へ?』は9月17日より全国順次公開。