石田ひかり、27年ぶり“つか作品”参戦 『二代目はクリスチャン』舞台化で主演
女優・石田ひかりをゲスト主演に迎えた劇団扉座の舞台『扉座版 二代目はクリスチャン ―ALL YOU NEED IS PASSION―』が、10月21~31日、東京・すみだパークシアター倉(そう)にて上演されることが決まった。
【写真】石田ひかり、インタビュー撮り下ろしショット
本作は、つかこうへいが1985年に発表した小説で、同年、志穂美悦子主演により映画化された『二代目はクリスチャン』を原作としてその後を描く、限りなく新作に近いオマージュ作品。石田は主人公・シスター今日子役を演じる。書き下ろし演出を手がけるのは、つかとの出会いによって劇作家の道を歩んだ横内謙介。
今日子は20年前、抗争に巻き込まれて死んだ組長で夫の神竜政五郎のあだを討って敵対組員たちを射殺し、懲役20年の刑に服役。ヤクザ苦境のこの時代に、あえて神竜組二代目として組を再建する覚悟で、刑期を務め終え出所した。元組長と出会うまでは教会に暮らす清らかで可憐な修道女だった今日子。出所を待ちわびた組員たちは…。今日子の前に再び嵐が吹き荒れる。
つか作・演出で1994年上演された『飛龍伝’94』が初舞台だった石田は、27年前のことを「共演者の皆さんがあまりに面白くて、若かったわたしは稽古場でも本番でも(!)、本気でゲラゲラ笑っておりました。そんなわたしを見て『そんなにこれが面白いか!お前の私生活はそんなにつまらんのか!家で笑ってから来い!』とおっしゃっていた笑顔や、つかさんと過ごした全ての時間は永遠にわたしの中に存在し続けます」と振り返った上、「実直に演劇に向き合って来られた横内さんの演出を通して、つかさんのセリフの中に生きられることを、とてもとても楽しみにしております」とコメント。
演出の横内は「演劇はコロナウィルスと相性が悪い。燃える、泣ける、キマル、つかこうへいスタイルは特に絶望的だ。つか流の激しいセリフ回しは、客席に向かって唾を飛ばしてナンボのものだ。さすがに2021年の秋なら終息も見えているだろうと思い、昨年末に予定していた公演を延期してこの時期に移した。その見通しも甘かった。引き続き感染拡大と闘いつつの、油断できぬ公演となる。とは言えやる以上、しかも6回目となる幻冬舎プレゼンツシリーズとしては最もタイトル名の知られた『二代目はクリスチャン』を満を持して放つからは、せめて精神の濃密、魂の濃厚接触だけは今まで以上に過剰に究めたものにしようと思う」と意気込みを語っている。
舞台『扉座版 二代目はクリスチャン ―ALL YOU NEED IS PASSION―』は、10月21~31日、東京・すみだパークシアター倉にて上演。