カンヌ映画祭グランプリ受賞 SNSの光と闇を描く『英雄の証明』公開
第74回カンヌ国際映画祭にてグランプリに輝いた映画『A HERO(英題)』が、邦題を『英雄の証明』として、 4月1日より公開されることが決定。併せて、ポスタービジュアルが解禁された。
【写真】アスガー・ファルハディ監督作『別離』フォトギャラリー
本作は、『別離』『セールスマン』で2度のアカデミー賞受賞を誇るイラン出身のアスガー・ファルハディ監督による最新作。母国イランとヨーロッパを股にかけて活躍し、人間と社会の本質に鋭く切り込む作品で数々の国際的な映画賞を受賞してきたファルハディ監督が、新作ではSNSやメディアの影響力にフォーカスを当て、真実というものの曖昧さや、社会に潜む欲望やエゴを現代的な切り口であぶり出す。
第74回カンヌ国際映画祭にてグランプリとフランソワ・シャレ賞を受賞したほか、第79回ゴールデン・グローブ賞非英語映画賞にノミネート。本年度の米アカデミー賞国際長編映画賞ショートリストに選出され、アカデミー賞最有力候補との呼び声も高い。
主人公は、イランの古都・シラーズで、借金の罪で投獄され服役している男・ラヒム。ある日、彼の婚約者が偶然にも17枚の金貨を拾う。その金貨で借金を返済すれば、すぐに出所できるラヒムだったが、罪悪感に苛まれ、金貨を落とし主に返すことを決意。そのささやかな善行はメディアで大反響を呼び、“正直者の囚人”という美談の英雄に祭り上げられていく。しかし、SNSを介して広まったある噂をきっかけに状況は一変。ラヒムは周囲の狂騒に翻弄され、父親を信じる無垢な吃音症の幼い息子をも残酷に巻き込んだ大事件へと発展していく。
映画『英雄の証明』は、4月1日より全国順次公開。