『ヒロアカ』山下大輝&岡本信彦 第122話“爆豪ライジング”を語る「心に強烈な何かを刻むエピソードになる」
■岡本「爆豪っぽくないと思ってもらえたら」
――爆豪にとってのターニングポイントでもある、第122話「爆豪勝己:ライジング」(11月26日放送)の見どころを教えてください。
山下:これまでの展開ですでにデクはヒートアップしていますが、もう一段、二段、三段とギアをあげます。肉体や細胞を犠牲にしてでも力を出すという覚悟を持って、死柄木に立ち向かうんです。
ある種、常軌を逸しているんですよね。ちょっと狂気じみた芝居をしたので、それが伝わればいいな。打って変わって、かっちゃんは「静」の芝居です。そのギャップも相まって、このエピソードは見ていてちょっと疲れるかも知れません。
『僕のヒーローアカデミア』第122話「爆豪勝己:ライジング」場面カット (C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
岡本:(今回の話は)「かっちゃんって、こんなに繊細なやつだったんだ」と思うくらいの展開で、自分を鼓舞し続け、勝利への執念で固めていた心の内側が出るみたいな感じ。
演じるときは、今までの爆豪らしくない部分と、それでも爆豪であるという部分のバランスを意識しました。このエピソードは、爆豪にとってホップ、ステップ、ジャンプの「ステップ」。彼の成長や、この先に待ち構えていることを考えると、こういう繊細な面を出す必要があるんです。
『僕のヒーローアカデミア』第122話「爆豪勝己:ライジング」場面カット (C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
山下:今までもタイトルに「ライジング」と付くエピソードがありましたが、それは恰好よさが際立つものが多かったんです。ただ、今回の「ライジング」はそうじゃない。「これ、ライジングしているの?」って思う方もいると思います。僕もストーリーを知ったときは驚きましたし、アフレコ中、息が浅くなりましたね。恐らく、皆さんの心に強烈な何かを刻むエピソードになると思います。
岡本:このエピソードを見終えた方が「爆豪っぽくなかった」と感じてくれたら、僕はむしろうれしいです。
――話を聞いていて、演じる上でも難しいエピソードだったのではと感じました。
岡本:デクの常時100%のあの芝居は、ほかの役者だったらできなかったかもしれません。デクを演じられる声質・忍耐・気持ちを兼ね備えた役者は、大輝君しかいないんだろうなと。
山下:かっちゃんって、いつもフルスロットルみたいな感じなので、がなることも多いんです。そのがなり方も一辺倒じゃない。それだけでも難しいのに、今回は強いだけじゃないかっちゃんの姿を見せないといけないんです。とはいえ、かっちゃんの雰囲気を保つ必要もある。信彦さんは、すごく大変だったと思います。
岡本:超苦しかったよ(笑)!
――お互いに「大変そうだな…!」と思いながら演じていたんですね。
岡本:『ヒロアカ』の現場は、みんな大変だと思います。例えば、キャラクターの体が絵的にはボロボロだとしても、場面によってはそれを声でも表現してはダメ。ダメージは蓄積しているけども、負けているという雰囲気を出してはいけない場合もあるんです。
山下:絵で汗が描かれていたら「疲れているのかな」と感じますが、芝居ではその汗を意識しなくてもいいと『ヒロアカ』のアフレコでは言わることがあります。疲労はあるけども、負けてはいないから。
岡本:むしろ、その疲れを乗り越えている感がないといけないんです。
山下:これは、『ヒロアカ』ならではだなと思います。
【「『僕のヒーローアカデミア』第122話」概要】
放送日時:11月26日(土)17時30分
放送局:読売テレビ・日本テレビ系全国29局ネット ※一部地域を除く