『ちむどんどん』残り1週間 「気になること」「期待すること」をまとめてみた
それから、家族問題で気になるのは、一瞬だけ登場した矢作(井之脇海)の妻・佳代(藤間爽子)。その後全く登場せず、妊婦の暢子と矢作2人でスタートした「ちむどんどん」が人手不足に悩んでも、たまに手伝うどころか、顔を見せることもなかった。おそらく仕事を持つ女性なのだろうが、それにしてもたまに食事に来るぐらいしても良さそうなものだ。「何でもする」と言っていた和彦(宮沢氷夫)も、ウロウロするばかりで戦力外だったし、おそらくこの店の近所の人々は、暢子と矢作を夫婦だと思っていただろう。となると、暢子たち一家が故郷・やんばるに帰り、矢作が店を引き継いだ後は、矢作が暢子と離婚したと勘違いする人も出てくるに違いない。
そして、暢子と和彦が忘れていそうな“しーちゃん”重子(鈴木保奈美)との同居問題。結婚するときには一緒に住むと言っていたのに、孫・健彦の世話もずっとしてきたのに、よりによって自分を置き去りにして沖縄の研究に夢中になった夫・史彦(戸次重幸)と同じ道を息子・和彦も歩もうとしている。しかし、プライドが高く、傷つきやすそうなしーちゃんが、和彦や暢子に同居話のことを蒸し返すことなどできないのだろう。こうして家族の歴史は繰り返されていくのか。
ほかにも、賢秀(竜星涼)のボクシングジムへの借金や、良子(川口春奈)が暢子の上京の時に学校から借りたお金、詐欺師・我那覇(田久保宗稔)の行方、暢子が立て直しに奔走したおでん屋のその後、清恵の元夫(田邊和也)、比嘉家にお金も貸し、面倒を見て来たのに暢子たちの宴会にいなかった賢吉おじさん(石丸謙二郎)、歌子が歌の道に進むきっかけとなった下地先生(片桐はいり)、智がバイトしていて、賢秀が暴れまくって迷惑をかけたバーガー屋のマスター(川田広樹)、ブラジルに行った陸上部のキャプテン(秋元龍太朗)など、その後どうしているのだろうか。
本作の良識派の一人、「ピースピース!」の金吾(渡辺大知)が登場することは次週予告で明らかになっているが、もう一人の良識派・愛(飯豊まりえ)は…? 逆効果だという声も多かったRPG的BGMが、いよいよ生かされるのは、エンディングで全ての人々のその後を一瞬でも描いてこそ。『ちむどんどん』の愛の深さがラスト1週にかかっている。(文:田幸和歌子)
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