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King & Prince・平野紫耀、俳優として培った演技の振り幅と視聴者を引き付ける魅力とは

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金曜ドラマ『クロサギ』第8話より
金曜ドラマ『クロサギ』第8話より(C)TBS

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平野紫耀

King & Prince

 King & Princeの平野紫耀が“詐欺師をだます詐欺師”を演じ、毎回スリリングな展開が見られる金曜ドラマ『クロサギ』(TBS系/毎週金曜22時)。宿敵・御木本との戦いが幕を閉じた今、本作で主人公・黒崎高志郎を演じている平野のこれまでの熱演を振り返ってみたい。

【写真】“黒崎”平野紫耀が涙をこらえる姿にネット共感!

■軽妙さと重厚感で魅せる演技の振り幅

 本作は、詐欺によって家族を失った主人公・黒崎(平野)が、人をだまし、金銭を奪うシロサギをターゲットにした“クロサギ”となり、本当の「敵」を探し出し、打倒していく物語。

 スマートなたたずまいとクールな語り口で詐欺師たちをだましていく姿が印象的な黒崎だが、時に怒りや憎しみ、そして喜びと、自身の感情をあらわにする姿が見られる。平野は、そんな黒崎を、自身が持つ幅広い演技力で体現しているのだ。

 例えば第1話。黒崎が企業セミナーをでっち上げて多くの被害者をおとしいれてきた詐欺師・春日(高橋光臣)と直接対決するシーンでは、それまで冷静に任務を遂行してきた黒崎が、春日が宿敵・御木本とつながっていることを知ると「殺してやりたいよ…この手で。お前も、御木本も」と怒りをにじませる様子が映し出されているが、このシーンを演じる平野からは、鬼気迫る勢いを感じる。言葉巧みに詐欺師を追い込んでいた黒崎がどこか冷静さを失ったような表情を、新境地とも言える重厚な芝居で見事に演じ切る姿は、第1話にして、俳優としての表現の振り幅の広さを視聴者に十分にアピールしたのではないだろうか。

■ 黒崎の心情を“表情”で熱演

ヒロイン・吉川氷柱(黒島結菜)
 また、平野の演技は表情からも表現力の高さが見られる。お人好しな性格のためにだまされ続けてきた両親の存在が、検事を目指すきっかけとなったヒロイン・吉川氷柱(黒島結菜)が、孤独を抱える黒崎のために涙を流した第3話。平野は、孤独な人生を歩んできた黒崎の心に光が差し込んだ瞬間を、絶妙な表情と受けの芝居で表現した。

 氷柱は、詐欺師として1人復讐を果たそうとしている黒崎に「あなたの詐欺を肯定はしない。でももう…否定もしない」「あなたが詐欺でやってることと、私が検事になってやりたいと思ってることは…きっと同じだから」と涙ながらに訴える。自分のために涙を流す氷柱の思いを、黒崎は、驚きの交じった複雑な表情で静かに受け止めるのだが、その瞳は希望が差し込んだように見える。平野は、黒崎の心情に変化が訪れた瞬間を、静かな、しかし熱のこもった“表情の演技”で見せ、視聴者を引き込んだ。

 孤独の中、“クロサギ”として戦ってきた黒崎の感情が、涙となってあふれ出す第4話と第5話で、平野が演じた“涙の演技”はとても印象的だ。どちらも涙を見せる行為に変わりはないのだが、平野の涙の見せ方の違いからは、黒崎の心情が読み取れる。

 第4話では、黒崎の元を訪ねてきた氷柱の父・辰樹(船越英一郎)と、家族の穏やかなやりとりを身近で見たことで、黒崎が、家族が生きていた頃の楽しい食卓の光景や、御木本にだまされた父・浩司(前川泰之)が一家心中を図ろうとした陰惨な記憶を思い出す姿が描かれた。黒崎は、感情が涙となり込み上げているものの、決して泣こうとはしない。そんな彼の、感情を押し殺すような表情を、平野は大きな瞳に涙をいっぱいにため、演じ切ったのだ。

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■感情が“涙”となりあふれだす

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