『silent』最終話 川口春奈&目黒蓮、10分間も“筆談と手話のみ”の名シーン 音楽もほぼなし
川口春奈が主演を務め、目黒蓮と共演するドラマ『silent』(フジテレビ系/毎週木曜22時)の最終話が22日に放送。紬(川口)と想(目黒)が母校の教室で10分間にわたり、筆談と手話のみで会話をし、音楽もほぼ流れないというテレビドラマとしては挑戦的なシーンが描かれた。
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“紬の声を聞けないのがつらい”と、紬から離れようとする想と、つらいのならば「声ださない」「笑わない」「電話しない」「音楽きかない」「それでも一緒にいたい」と気持ちをぶつける紬。自身の元から離れようとする想に紬は「もう一回ちゃんと話したい」「それで最後にするから」と伝え、想のリクエストで母校である高校の教室で会う。
この教室のシーンで、紬と想は黒板にチョークでお互いの気持ちを伝え合う。紬は「一緒にいるのつらいなら 会うのやめる 再会できてよかった また話せてよかった また好きになれてよかった」と書き、静かに涙を流す。「元気でね」と書いた紬は教室を、想の元を去ろうとするが、想は「人の声が聞こえないこと 当たり前になってたのに 青羽の声が聞こえないことだけ 受け入れられなかった」と告白する。
この後も2人は発話することなく、筆談と手話だけで会話をする。響くのは黒板に文字を書くときにこすれるチョークの音だけ。声を発したのはシーンが始まってから10分経ったところで紬が想に「たぶん全部は無理だけど、できるだけ分かり会えるように、たくさん話そうよ」「言葉にできないときは、黙って泣いててもいいよ。私も黙って背中さするから」と手話で伝えながら、小さな声で「背中」と言ったときだった。この間、音楽もほぼなく、教室のシーンが始まってから7分ほど経つまでは、本当にチョークの音が響くだけだった。
通常テレビドラマでは、視聴者を飽きさせないためにセリフで過剰に説明したり、音楽で引きつけたりする。今やスマホを見ながら、SNSに感想を書き込みながら、ほかのことをしながらでも“理解できるように”つくられることも多い。だが、この10分間のシーンでは、画面を注視しなければ分からない真逆のつくり。静寂なシーンながら、2人の気持ちがこれまで以上に深く伝わるシーンとなった。