『RRR』“不屈の兄貴”ラーマの「絶体絶命」シーン5選 登場数分で死の淵へ→絶対に立ち上がる姿に興奮必至
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ラーマとビームの激しい戦いのあと、物語はラーマの“過去編”に突入。なぜラーマが警官としてそこまでイギリスのために奮闘するのか、その訳が明かされていく。
ラーマの父・ヴェンカタは以前イギリス軍に属しており、インド人へのひどい迫害を間近で見てきた。そんな父は軍を脱走、村の少年たちを兵士に育て、いつかインド独立のため立ち上がろうと闘志を燃やしていたのだ。
そんなある日、村が武装していることを嗅ぎつけたイギリス兵たちが攻め入ってくる。次々と村人たちが銃弾に倒れる中、射撃の腕が優れていた幼いラーマは父の指示の元、たった一丁の銃でイギリス兵たちを倒していく。しかし、母も弟も殺されてしまい、最後には父も志半ばで散ることに。
父の最期の反撃によりラーマは逃げおおせるものの、その胸には「イギリスを必ず倒す」「そのために武器を村に持ち帰る」という思いが刻み込まれた。息子を兵士に育て、自分の意思を必ず継ぐよう教え込んだ父。その、いわば“呪い”ともいえる言葉を抱え続け、ラーマはいくつもの修羅場を越えていく“不屈の男”に成長していくのだ。
■“使命”よりも“友情”選んだ命懸けの作戦 ラーマvsイギリス警察
警官ラーマのすさまじい仕事ぶりは、警察内部に入り込み武器を奪って村に持ち帰る、という使命のためであることが明かされた。このためにラーマは親友ビームを逮捕し、武器庫に出入りできる地位も手に入れた。使命を果たす目前までついにやってきたのだ。
しかし、ラーマの心は晴れない。鞭で打たれても決して屈せず気高く誇り高いかつての親友ビームを見て、自分はこれでいいのかと自問する。そして出した答えは、「使命を捨てて親友を助ける」という道だった。
ラーマは捕まったビームを逃がすため、同僚の警察たちを欺き自らも猛攻で追っ手を足止め。その間に、背中に太めの木の枝が突き刺さっても、屈強な警官たちに押しつぶされてもその大立ち回りは止まらない。丘の向こうへ逃げていくビームとマッリを見届け、どことなく満足気な表情でやっと力尽きるのだった。
この後、イギリスを裏切ったラーマは投獄。獄中でも闘志の炎を絶やさず自らを鍛え続ける。そしてここからは“最強の肩車”こと、ビームが足を負傷したラーマを背負い2人でイギリス軍をなぎ倒す爽快シーンや、ラーマがサフラン色の布をまとい弓で無双する“神モード”への突入、イギリス総督を倒して大量の武器ゲット、と、ここまでの辛い展開を200%取り返す激熱展開が待っている。
『RRR』場面写真(C)2021 DVV ENTERTAINMENTS LLP.ALL RIGHTS RESERVED.
■『RRR』は“見るエナジードリンク”
『RRR』の物語はラーマが村に武器を持ち帰るところで終了するが、ラーマの革命への道は始まったばかり。きっとこの後も辛いことや厳しい局面にさらされることになるのだろう(モデルとなった革命家のシータラーマ・ラージュは若くしてイギリス軍により銃殺刑に処されている)。
しかし“不屈の男”ラーマなら、どんなに絶体絶命な状況に陥っても何度でも立ち上がるだろうということが、『RRR』の3時間で私たち視聴者には分かっている。だからこそ私たちは何度でも『RRR』を見ては、心に勇気と希望をみなぎらせることができるのだ。(文・小島萌寧)
映画『RRR』日本語吹替版は、7月28日より全国公開。