“結婚式シーン”が素敵すぎる映画たち！ 1960年代から2020年代まで【7選】
映画
■2000年代 『ラブ・アクチュアリー』
映画『ラブ・アクチュアリー』より、こんなサプライズ受けてみたい！ という結婚式シーン 写真提供：AFLO
2000年代、2010年代は何作もの「名結婚式シーン映画」が生まれて悩ましいが、2000年代からは『ノッティングヒルの恋人』、『ブリジット・ジョーンズの日記』などで知られる人気脚本家リチャード・カーティスの初監督作で、冬のロンドンを舞台に、年齢も国籍も性別も違う19人の恋模様を描くロマンチック・コメディ『ラブ・アクチュアリー』（2003）を。ヒュー・グラント、コリン・ファースなどイギリスを代表する名優が勢ぞろいする本作では、「実際に自分もされてみたい！」という実現可能性の高い結婚式シーンが描かれる。
それはピーター（キウェテル・イジョフォー）のジュリエット（キーラ・ナイトレイ）の結婚式のシーンだ。友人のピーター（アンドリュー・リンカーン）を始め、本作のメインキャストらが参列する中、誓いのキスを終えた式の主人公の2人が退場しようとしたところ、突然聖歌隊による歌声が…。よく聴くとそれはビートルズの「オール・ユー・ニード・イズ・ラブ」の前奏部分で、この後、式場のいたるところから演奏者らが飛び出し、素敵な大合奏に！ ストーリー上ではこの後、ピーターも交えてすったもんだがあるわけだが、このシーンは「自分の結婚式でもしてもらいたい！」という理想的なサプライズシーンとしていまも語り継がれている。
■2010年代 『アバウト・タイム～愛おしい時間について～』
『映画『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』より大雨と強風に見舞われる結婚式シーン 写真提供：AFLO
2010年代からは、『ラブ・アクチュアリー』と同じカーティス監督が手がけたラブ・ストーリー『アバウト・タイム～愛おしい時間について～』（2013）を挙げたい。ほんの少し過去にタイムトラベルできる青年ティム（ドーナル・グリーソン）が、運命の女性メアリー（レイチェル・マクアダムス）と出会い、過去をちょっとずつ微調整しながら懸命に生きる姿を描く。
映画のメインビジュアルにもなっているのが、ティムとメアリーの結婚式。一癖も二癖もある参列者が集った式は、大雨と強風の悪天候に見舞われ、今で言う“映え”とはかけ離れたものになってしまうが、参加者らが皆楽しそうにしているのが印象的で、「思い通りに行かなくても楽しいのが人生！」と言わんばかり。ティムはスピーチをお願いする相手選びにも難航し、つまらない話を始める同僚や、あろうことかティムの過去の女性遍歴を紹介し始める旧友まで。何度もタイムスリップでやり直し、ティムが探り当てたスピーカーは、名優ビル・ナイ扮する彼の父親。息子を思う彼の心温まるスピーチは、本作の名シーンの1つとなった。
■2020年代 『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』
映画『ラブ・イン・ザ・ビッグ・シティ』（2025） （C）2024 PLUS M ENTERTAINMENT AND SHOWBOX CORP. ALL RIGHTS RESERVED.
2020年代からは、ただ今絶賛公開中の韓国映画『ラブ・イン・ザ・ビッグシティ』を挙げたい。本作は、イ・オニ監督が、世界3大文学賞のひとつである国際ブッカー賞などにノミネートされたパク・サンヨンのベストセラー小説を映画化した作品だ。世間や周囲の目に縛られず全力で人生を謳歌するエネルギッシュなジェヒ（キム・ゴウン）と、ゲイであることを周囲に隠して孤独に生きてきたフンス（ノ・サンヒョン）。2人が進学したソウルの大学で出会うことから物語は始まる。
時にぶつかり、時に励まし合い、家族以上に何でも打ち明けられる「人生の相棒」になっていくジェヒとフンス。感動の名シーンはジェヒの結婚式だ。ビルの屋上でウエディングドレス姿のジェヒが気持ちよさそうにタバコを吹かす冒頭のシーンも彼女らしさを象徴するいいシーンだが、そんな彼女の披露宴でフンスが歌うのは、韓国の4人組ガールズグループ「miss A」のヒット曲「Bad Girl Good Girl」。劇中で同居中の2人が聴いていた曲であり、何よりも「外見はバッドガール 中身はグッドガール うわべだけしか知らないくせに」という歌詞は、その言動で周囲からさまざまな誤解をされ続けてきたジョヒを象徴する。その曲を、彼女を最も近くで見守ってきたフンスが歌うからこそ、最高にグッと来るシーンに仕上がっている。
