映画『ウィキッド』を舞台版大好きライターが語る! 愛あふれるオマージュから楽曲注目ポイントまで
『ウィキッド』の魅力といえば、世界中で愛される名曲たち。そんな楽曲シーンからも、映画ならではの演出が。「Defying Gravity」「Popular」といった有名ナンバーはもちろん素晴らしかったが、今回はこれ以外の楽曲についても語りたい。
まず、エルファバの希望が爆発する「The Wizard and I」。肌が緑色であることや、魔法の力を持っていることでこれまで辛い人生を歩んできた彼女が初めてその才能を見出され、「オズの魔法使いに会えば人生が変わる!」と期待や夢を膨らませるこのナンバー。舞台版では学内で歌い上げるが、映画ではサビで学校を飛び出し大草原へ。風を浴びるエルファバは、それまでの人生からの解放される未来を表すようだ。しかし、この大きな希望はのちの裏切りへの伏線になっているのがなんとも切ない。
続いて、エルファバとグリンダの最悪な第一印象がぶつかり合う「What Is This Feeling?」。2人のコミカルなやりとりが魅力的なデュエットだが、こちらは舞台版以上にさまざまなシーンが加わった。「シズ大学の学食ってぼっちには優しくない席並びだな…」とか「戦闘(?)の授業なんてあったの!?」など、シズ大学生の生活を覗ける貴重なシーンが続く。『ウィキッド』好きには何度も繰り返して観たい1曲だ。
最後に、本作で最もサプライズ感があったと言っていい「One Short Day」を紹介したい。エルファバとグリンダが、魔法使いの住むエメラルドシティに降り立つシーンで歌われる本曲には、映画オリジナルのパートが加わった。街なかで上演されている、オズの国の成り立ちを描いたショーのシーンに、なんとブロードウェイでオリジナルキャストとしてエルファバを演じたイディナ・メンゼルとグリンダを演じたクリスティン・チェノウェスが登場。新旧エルファバ・グリンダの絡みというファン垂涎のご褒美的シーンが加わった。ちなみに吹替版ではイディナを岡村美南、クリスティンを谷原志音が担当。2人は劇団四季で長年エルファバとグリンダを演じてきており、これまた激熱。このシーンもファン必見の仕上がりだ。
来年3月には、続編の公開も控える『ウィキッド』。それまでにアマプラで『ウィキッド ふたりの魔女』を思う存分復習しておきたい。(文:小島萌寧)
映画『ウィキッド ふたりの魔女』は、Amazon Primeにて配信中。

