【徹底レビュー】「期待の秋ドラマ」ランキングTOP3、第1話は実際どうだった?
10月に入り続々とスタートを切っている2025年秋ドラマの数々。クランクイン!では先日、「楽しみな2025年秋ドラマ」のアンケートを実施し、ランキングとしてトップ10を発表した。本稿では、ランキングトップ3の第1話をレビューする。
【写真】2025年秋ドラマ「2話以降も見続けたい」ランキングTOP10<フォトギャラリー>
■ いきなり理不尽な別れが描かれ衝撃的な『すべての恋が終わるとしても』
葵わかな、神尾楓珠
「楽しみな2025年秋ドラマ」ランキング第3位は、葵わかなと神尾楓珠がダブル主演する『すべての恋が終わるとしても』(ABCテレビ・テレビ朝日系/毎週日曜22時15分)だった。
本作は、“忘れられない恋”をテーマにした切ないラブストーリー。高校の卒業式に付き合いはじめた同級生の男女を主人公に、彼らを取り巻く人物たちも含めた8人の男女が織り成す、リアルでちょっぴりほろ苦い恋愛模様を描く。
第1話では、葵演じる由宇と神尾演じる真央の出会い、そして別れが描かれる。校内でボードにチョークで絵を描いていた真央を偶然目撃する由宇。素敵な絵だと思っていたら、完成した瞬間に水をかけて消してしまう真央に、由宇は驚いてしまう。なぜ消したか尋ねると、真央は「楽しかったから」とポツリ。「楽しい思い出ができたなら、後に残らなくていい」。これはもしかして以後、由宇を苦しめることになる真央の恋愛観を暗示しているのかもしれない。
真央の影響で自分でも絵を描き始めた由宇は、真央の勧めもあって美大を志望。高校卒業後、実家のある東京を離れ、神戸の美大へ進むことになる。と同時に、東京の大学に進む真央との遠距離恋愛がスタートする。絵の勉強とバイトに明け暮れる由宇にとって心の支えだったのが、神戸に遊びに来てくれる真央とのひとときだ。将来は、高校時代の2人の行きつけだった店のような、アートカフェを開きたい、という夢もできた。
ところが2人の未来は就活で暗転する。アート系の職種をがんばって受けるも、なかなか採用にいたらなかった由宇は、真央のそばにいれるなら、と希望の職種を断念し、東京の企業に営業職で内定をもらう。それを知った真央は由宇が信念を曲げたことに怒り、冷たく突き放すと、2人はあれよあれよという間に別れることになってしまう…。
は? そんなことで? 由宇の人生にここまで影響を与えておいてはしご外すの、酷くね? と思うけど、真央からすれば一度も無理強いはしていないし、由宇に願うのは「やりたいことをやってほしい」その一点のみ。最終的には由宇が自分の意思で神戸の大学に進んだ、ということなのだろうか。ある意味、恐ろしい男である。神尾君、『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)に続き、本作ではまた別種のサイコな役柄に挑戦することになるのかもしれない。
本作では、なにわ男子・藤原丈一郎ら演じる他の男女の恋愛模様も描かれる予定だが、第1話ではほかの3組はほとんど登場することなく、第2話以降に動きがありそう。また、大学時代の真央の不審な挙動(由宇が唇を噛むクセを「それヤダ」と拒絶したり、一度大学の課題で神戸に行けない、と言ったのにサプライズで由宇の家にやってきたり)も、のちのち理由が明らかになるのかもしれない。
第1話のラストでは、別々の人生を歩むことになったはずの由宇と真央が、お約束とばかりに仕事先でばったり再会してしまう。第2話以降、2人がやり直せるのか注目だ。

