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【徹底レビュー】「期待の秋ドラマ」ランキングTOP3、第1話は実際どうだった?

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■ 心当たりある人にはホラー? 北村有起哉主演の『小さい頃は、神様がいて』


北村有起哉、仲間由紀恵
 「楽しみな秋ドラマ」ランキング第2位は、北村有起哉が主演を務め、仲間由紀恵が共演する『小さい頃は、神様がいて』(フジテレビ系/毎週木曜22時)だった。

 古くは『南くんの恋人』(テレビ朝日系)、『ビーチボーイズ』(フジテレビ系)、最近では『日曜の夜ぐらいは…』(テレビ朝日系)などを手がけたヒットメーカー・岡田惠和の完全オリジナル脚本となる本作は、2人の子を持つ小倉渉(北村)と、その妻・あん(仲間)を中心に、登場人物たちの人生模様をユーモラスに描き出すホームコメディ。

 ユーミンことシンガーソングライター・松任谷由実の代表曲の1つで、映画『魔女の宅急便』のEDテーマとしても知られる「やさしさに包まれたなら」の一節に、脚本の岡田がインスピレーションを受けて書いたという本作。第1話では冒頭から北村演じる渉が独白で「小さい頃は、神様がいて」と語り始めるが「いい子にしていれば、幸せになれると思っていた」と続き、キキとジジも「おや、何だか様子がおかしいぞ」と顔を見合わせるような、ちょっぴり不穏な“下の句”が続く。ただただ“いい子”にしていれば幸せになれると思っていたのに——これは本作のメインテーマかもしれない。

 主人公の小倉渉(北村)は食品会社に務める平凡なサラリーマン。息子と娘に恵まれ、もう少しすれば妻と2人きり悠々自適な老後が待っている、という状況だ。ところが、妻のあん(仲間)にはそんな気はさらさらないようで、子どもたちがまだ幼かったころに夫と交わした「子どもたちが20歳を迎えたら離婚する」という約束を、指折り数えて待っていたのだ。

 渉はまさに「いい子」で、不倫したり巨額の借金を作ったりする「悪い子」ではなかったようだが、妻の不満を一切ケアせずに生きてきたよう。そもそも「妻が不満を抱いている」こと自体に気づけていない様子だ。一方、すでに実家を出ている長男・順(小瀧望)は、あんからのチャットに対して息子として120点満点の返しをしてみせて母親のメンタルケアに成功しており、筆者は最初「あんは今流行りのAIとやり取りして心の隙間を埋める主婦か?」と勘ぐってしまったが、順はちゃんと実在しているようだ。

 そのほか第1話では、台風をきっかけに同じマンションに住む、草刈正雄・阿川佐和子が扮する老年夫婦、小野花梨・石井杏奈が扮する同性カップルが渉とあんの部屋で一堂に会し、仲良くなることに。彼らが渉・あんにどういった影響を与えていくかも注目だ。

 20年以上共に過ごしてきた最も身近な存在であるはずの配偶者と、見ている景色が全く違っていた…。ホームコメディだが、心当たりのある世の視聴者には少しホラーな物語が、毎週木曜日に繰り広げられるかもしれない。

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