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【徹底レビュー】「期待の秋ドラマ」ランキングTOP3、第1話は実際どうだった?

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■ 及川光博が穏やかながら熱い思いを抱くゲイを好演『ぼくたちん家』


及川光博、手越祐也
 「楽しみな秋ドラマ」ランキング堂々の第1位に輝いたのは、及川光博が主演する『ぼくたちん家(ち)』(日本テレビ系/毎週日曜22時30分)だった。

 本作は、現代にさまざまな偏見の中で生きる「社会のすみっこ」にいる人々が、愛と自由と居場所を求めて、明るくたくましく生き抜く姿を描く完全オリジナルストーリー。及川が演じるのは、50歳の心優しきゲイ・波多野玄一。不器用で、やたら情に厚い玄一は、ある日ゲイの青年、中学教師の作田索(手越祐也)に偶然出会い、恋をする。それをきっかけに玄一の人生が動き出していく。

 第1話では、玄一と索の出会いが描かれる。及川が21年ぶりに主演で演じるのは、心優しいゲイのおじさん、玄一。どれだけ優しいかというと、務めている動植物園に捨てられていた動物たちがかわいそうなあまりペット禁止のアパートで次々と飼い始めてしまい、ちょっとした動物王国になってしまうほどだ。当然追い出されてしまい、行き着いた次の物件は世界遺産登録待ったなしのようなオンボロアパート。隣人として訳ありな中学3年、ほたる(白鳥玉季)と出会い、ストーリーが動き出す。

 対する索(手越)は、ゲイであることをその不自由さも込みで受け入れたようなクールな青年だ。ゲイであることもことさら隠すことはない様子。ただ、どうもそれが本当の姿なのか怪しいのは、別れたパートナーと書き記した結婚届の存在だ。本邦で同性婚はまだ認められていないため、「妻」の欄を二重線を引いて「夫」として書き記している届は出されることなく、相手とは破局したようだ。索には索で何か葛藤がありそう。筆者は気を抜いていたから最初、黒髪の彼が手越だと気づかなかった。普段は金髪がトレードマークの手越の黒髪姿、新鮮だ。

 これまでも同性愛を扱った作品は数多あるが、そうした作品では、差別や偏見と戦う姿が描かれてきた。一方本作はもっとその先にあるゲイに生まれた者の権利や生き方に焦点を当てようとしているように思える。第1話終盤では、それまでほぼ全編を通して穏やかだった玄一が「ゲイに生まれた」ことで今まで何もかも諦めていたと明かし、「ほしいものはほしがらないと一生手に入らないから。ほしがることにしてみます!」と熱く宣言する。その「ほしいもの」の象徴が、愛する人と安らげる場所、「家」なのだ。

 第1話のラストシーンでは、出どころ不明の怪しすぎる3000万円が登場し、いきなり玄一に家を買うチャンスが到来。この先どうなるのか気になる第1話となっている。

 『すべての恋が終わるとしても』はABCテレビ・テレビ朝日系にて毎週日曜22時15分、『小さい頃は、神様がいて』はフジテレビ系にて毎週木曜22時、『ぼくたちん家』は日本テレビ系にて毎週日曜22時30分放送。

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