『国宝』が社会現象化、圧倒的強さの『鬼滅の刃』&高評価『チェンソーマン』…2025年ヒット映画総まとめ
今年の映画界の最大のトピックスは映画『国宝』の大ヒットだ。6月6日に公開された本作。吉田修一の歌舞伎を題材にした原作を、『悪人』『怒り』などの李相日監督が映画化。主演に吉沢亮、共演に横浜流星を配し、1年以上もかけて歌舞伎の稽古に取り組んだことも話題になった。公開前は175分という長尺、歌舞伎という題材ということで、正直大きなヒットは厳しいという見方も多かった。実際、公開週の興行通信社のランキングでは、『リロ&スティッチ』、『ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング』に次ぐ3位スタートで、オープニング3日間の興収は3億4600万円だった。
この数字だと、着地点は20億程度だとみられていたが、2週目に前週を超える興収4億5100万円を記録すると、3週目にはさらに数字を伸ばし5億1500万円となりついにトップ。そこからは口コミによる評価が螺旋階段を上るように日本中に広がり、あれよあれよという間に社会現象になっていった。約3時間という長さながら、リピーターも多数現れ、ついには2003年に公開された『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』の173.5億円を超え、邦画実写映画歴代興収1位に輝いた。
邦画の実写映画でもう一作、注目すべき映画は、KOTAKE CREATE(コタケクリエイト)が開発したゲームソフトを実写映画化した『8番出口』。監督は、『君の名は。』などをプロデュースした川村元気。二宮和也を主演に起用し、ストーリー性のないなか、ただひたすら繰り返される動きだけで物語を成立させ、これまで味わったことのないような映画体験を観客に与えた。観た人により賛否が非常に分かれているが、興収は50億円を突破。新宿の地下街には、「8番出口」とコラボした「東京メトロ脱出ゲーム」が開催され、黄色の「8番出口」のバッグを持った人が多数歩いている姿が見受けられるほど。こちらもある意味で社会現象になった作品だ。
その他、劇場版第2弾となる『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』も、2023年公開の、『劇場版TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』の45.3億円を超える52.6億円を記録するなど、大ヒットを記録していた。

