洋邦問わず公開続く実話系映画 実話ゆえのメリット・デメリットは?

現在、大ヒット中の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』『抱きしめたい ―真実の物語―』を筆頭に、2月15日に『大統領の執事の涙』、22日には『ダラス・バイヤーズ・クラブ』、3月21日には『ローン・サバイバー』『ワン チャンス』『ウォルト・ディズニーの約束』など、多くの実話を元にした映画が公開される。では、実話系の映画には、どのようなメリット、デメリットがあるのだろうか。
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これまで、多くの実話系映画の宣伝を手がけてきた宣伝マンは、「実話系映画は、エモーショナルなインパクトを誘発するにはうってつけな感じがありますが、ともすれば聞こえの良い宣伝の常套句となりかねない諸刃の剣でもあります」と話す。
そして、「実話や、実在の人物などをベースにした映画とそうでないものの決定的な宣伝の違いは、まず説明しやすいこと。有名な歴史上の出来事や著名人なら説明が容易で、知名度もあるので一般の方の認知に対するアドバンテージもあります。また、映画を機にその事象を掘り下げることができるので、ネタの創出に関してもやりやすさがある」と、実話系映画を宣伝する際のメリット点を口にする。
一方、デメリットについては、「実話であるということだけでは、もはや“売り”のポイントとしては弱いところがある」とのこと。確かに、前述の作品以外にも、2014年に入ってから『ラッシュ/プライドと友情』『アメリカン・ハッスル』等も公開されており、もちろん、フィクション系映画のほうが多いのだが、“実話ネタ”という謳い文句は、耳慣れしつつある。
だからこそ、実話系映画の宣伝には、フィクション系にはない大変なことも。
「実話を基にしていても市場の関心度が低いものは、一から説明しなければわからなかったり、もしくは有名であれば有名であるほど再現度が問われ、“こんなんじゃない”という酷評が発生しやすい点が挙げられます」。