クールビューティーな橋本愛は、なぜ地方ロケ作品が多い?
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また、『リトル・フォレスト』の守屋圭一郎プロデューサーは、「彼女が持っている独特の芯の強さみたいな部分は唯一無二。変に飾らず、素の自分を嫌味なく出せるからこそ、地方ロケに適しているのだと思います。若くてきれいな性格俳優という稀有な存在」と話す。
同様に、飯塚監督も「異質な美しさを有している」と述べ、「橋本さんは、ちゃんと1本芯の通った頑固さを持っている女優」と、付け加える。「彼女には明確なビジョンがあるんでしょうね。芝居に入り込むタイプで、役に対して自分なりも答えを持って現場に来てくれる。そのうえで、さらに話し合いができる人、演じるということを仕事にする人として、志が高い方です」。
飯塚監督は、どういった点から橋本の志の高さを感じたのだろうか。
「台本に対する理解力というか、ト書きに意味を含んでいるということを、きちんと理解しているところですかね。例えば、『壊れたように泣く』と書いてある場合、“壊れたように”のイメージをきちんと膨らませているんです。熟練の役者さんになれば、涙をコントロールするのは可能ですから、泣く演技は技術が目立ってしまうことがあるのですが、彼女はちゃんとハートで芝居をしている」
とにかく芝居に全力投球。その反動なのか、「橋本さんは、撮影以外の時間は本を読んだり、伊豆の海を眺めていたり。また、撮影が休みの日には、ひとりで近隣を散歩していたそうです」と、飯塚監督。『リトル・フォレスト』の現場でも、マイペースで気ままに過ごしていたとのこと。
抜群の存在感と美しさを有する、頑固で芯の強い性格俳優。こんな若手、確かにほかにはいない。都会に、地方に——橋本の活躍はまだまだ続きそうだ。