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沖縄最古のピンク映画・専門館長「人生から愛と性を切り離すことはできない」

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沖縄最古の映画館「首里劇場」三代目館長・金城政則さん
沖縄最古の映画館「首里劇場」三代目館長・金城政則さん クランクイン!

 昭和25年(1950年)創業、64年の時を経て「首里劇場」は沖縄最古の映画館として今も現役、営業を続けている。激動の昭和がそのまま残ったような劇場へ一歩足を踏み入れると、さながらタイムスリップしたような錯覚に襲われる。まさに“琉球シネマパラダイス”。「劇場を残したい、映画の灯を消さないという思いがあります」と言う、三代目館長・金城政則さんに話を聞いた。

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 「劇場は創立して60何年、自分はもう40年近くやってます。親が10年前に亡くなって、それからは1人で。掃除から何から、いろいろと全部。4、5人でやる仕事を一人でやってます。人件費が掛かるのを雇えなくなったし、お客さんも減少しましたから。映画館を続けていくには、そうやって1人でせざるをえないんです」。

 首里劇場は1950年にオープンし、沖縄芝居や時代劇に始まり、邦画から洋画まで様々な映画を上映してきた芸能文化施設。現在は成人映画専門館としてフィルムの作品を週替わり・3本立てのスタイルで上映を続けている。入れ替えや席の指定はなく、一度800円の入場料を払えば、あとは閉館まで観放題となる。

 「沖縄芝居から一般映画、そしてピンク映画に変わりました。一般映画が入らなくなった時に、ピンク映画はこういう古ぼけた映画館では救世主のようなものですよね。お客さんが一般映画よりずっと多くて、それで今まで続けてこられました。フィルムっていうのは上映するにも技術が要るし、本当はややこしいんです。フィルムを掛けるのはすぐできるかもしれないけど、掛けておけば済むものではなくて、上映中にトラブルが起きたりする。だから経験を積まないと、何年か掛からないと覚え切れないと思います。でも時代はデジタルに移ってきて、もうそういうのを覚えたって何にもなりませんからね」。

 劇場の中へ入ると、カタカタと映写機がフィルムを回す音が心地よく耳に響いてくる。だが、そうした音もデジタル技術の普及により、前時代的なものとなりつつある。

 「監督さんもデジタルよりフィルムの方が綺麗だっていうのをよく言いますよね。自分もフィルムの方が画面を見てるとスッと入っていけるし、色合いの深みがある感じがします。だから残せるものだったら残してほしい、そう思ってます。今は映画自体、観る人が少なくなったんじゃないですか。ネットとかDVDも安く借りられるようになったし、テレビでも映画は観られるし。でも、映画館は大画面と大音響の迫力があるんです。そういうものを、劇場を残していきたいという気持ちがあるし、映画の灯を消さないという思いもあります」。

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