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映画の都から、映像制作会社が消滅!? ロサンゼルスに迫る皮肉な事態

映画

映画の都L.A.がピンチ?エフェクト会社、消滅の危機 
映画の都L.A.がピンチ?エフェクト会社、消滅の危機 (C)AFLO

 ソニー・ピクチャーズが、ビジュアルエフェクト専門スタジオのイメージワークスを、ロサンゼルスからバンクーバーに移転すると発表した。

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 移転の理由は、コストの削減。バンクーバーは、昔から、寛大な税金優遇措置をもって、映画やテレビの撮影、およびビジュアルエフェクトなどポストプロダクションの仕事を誘致してきた。イメージワークスは2010年にバンクーバーに小さなスタジオをオープンしており、今回の本格的な移転は、以前から考えていたものと思われる。

 だが、このニュースが地元に与えた衝撃は、とても大きかった。ジェームズ・キャメロンが創設したデジタル・ドメインが2012年に、その翌年にはリズム&ヒューズが倒産するなど、L.A.では、近年、ビジュアルエフェクト専門スタジオが次々に経営困難に陥っている。そこへ来てイメージワークスがカナダに行ってしまうという事実に、このコミュニティは、新たな絶望を覚えたのだ。

 ハリウッド映画は以前にも増してエフェクトに頼るようになっているだけに、エフェクトの会社が苦戦するというのは、かなり皮肉な事実。しかし、テクノロジーが普及し、この分野で仕事をする人が増えていくにつれて、競争が激しくなってきた。製作費を少しでも抑えようとするプロデューサーたちは、税金優遇制度をもつカナダやイギリスに加え、人件費が格段に安いインドのエフェクトスタジオにも目を向けるようになっている。

 そんな状況の中で仕事を取るためには価格を下げざるをえないが、同時に、最新のテクノロジーを用意し、使いこなすことはエフェクトスタジオにとって重要で、技術開発のための投資も、ばかにならない。利益率は、どんどん小さくなっているのである。

 小さく始まったバンクーバーのイメージワークスは、今年『アメイジング・スパイダーマン2』の作業のため、350人のスタッフを抱えるまでになっていた。将来的には、700人が働くことを想定しているという。一方で、現在270人のスタッフを抱えるL.A.のスタジオには、ごく一部のスタッフのみを残す予定だ。映画のマジックを生み出す人々が、映画の都から、少しずついなくなりつつある。(文:猿渡由紀)

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