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女性スタッフの死にハリウッド衝撃、撮影現場での安全を提唱する動き広まる

映画

サラ・ジョーンズさんの死によって明らかになった、ハリウッドの現実(フェイスブックページからのスクリーンショット)
サラ・ジョーンズさんの死によって明らかになった、ハリウッドの現実(フェイスブックページからのスクリーンショット) クランクイン!

 2014年も、残りわずか。ロビン・ウィリアムズ、フィリップ・シーモア・ホフマン、シャーリー・テンプル、マイク・ニコルズなど、今年も多くの俳優や監督が惜しまれつつこの世を去ったが、それまで誰も名前を知らなかったサラ・ジョーンズという女性の死も、ハリウッドに衝撃を与えている。

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 ジョーンズは、インディーズの低予算映画『Midnight Rider(原題)』の現場でカメラアシスタントを務めていた27歳の女性。ロックミュージシャンのグレッグ・オールマンが書いた自伝「My Cross to Bear」を映画化するもので、ウィリアム・ハートが主人公オールマンを演じることになっていた。

 そのロケ場所はジョージア州。だが、撮影初日の2月20日、線路にしばりつけられたベッドにオールマンが寝ているという夢の中のシーンを橋の上で撮影しようとしている時、突然電車がやってきて、ジョーンズは死亡。ほかに8人が負傷した。後に、ロケーション・マネージャーは、その線路の周囲での撮影許可は取れていたが、線路そのものは許可が取れず、そこで撮影することになるとは自分も知らなかったと証言。ジョージア州は7月に、監督のランダル・ミラー、プロデューサーのジョディ・サーヴィン、プロダクションマネージャーのジェイ・セドリッシュを、意図的でない殺人と、不法侵入の容疑で起訴した。

 これとは別に、ジョーンズの両親は、ミラー、サーヴィンほかを相手に民事訴訟を起こし、今月19日に示談に至った。示談の条件は明らかになっていない。当初はオールマンやマネージャーなども訴訟の対象に入っていたが、撮影現場の事情にまったく関わっていないとわかったことから、ジョーンズの両親は彼らを訴訟対象から外している。この事件を受けて、オールマンはミラーらから映画化権を取り下げ、ハートも主演を降板した。

 この悲劇が露呈したのは、撮影現場において、時にクルーの安全がおろそかにされることがあるという暗い現実。二度と同じような事件を起こさないため、近年撮影が増えているジョージア州の現場クルーたちは、ジョーンズを追悼する“Slates for Sarah”というFacebookページを立ち上げ、ジョーンズの両親は、撮影現場の安全を提唱する慈善団体サラ・ジョーンズ・ファンデーションを設立した。「安全は一番であるべきで、決して二番ではない」と、ジョーンズの父リチャード・ジョーンズは声明を発表している。
 
 ミラー、サーヴィン、セドリックらの刑法上の裁判は、来年3月9日に始まる予定。3人は無罪を主張している。(文:猿渡由紀)

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