朝ドラ『マッサン』、タイトル選定の決め手は「愛の呼称」
「マッサン」の名前は、作中でマッサン本人の口からもときどき聞かれる。マッサンが自分の気持ちや愚痴などをエリーに話すときだけ「マッサンなあ」と甘えた口調になるのが、非常に可愛く印象的だが、「これはもともとは台本にはないセリフで、撮影の中、玉山さんの発案で、演出との相談のなかで、生まれたセリフです」と櫻井氏。
ところで、古くは『おはなはん』『おしん』から、最近は『あまちゃん』『ごちそうさん』『花子とアン』などまで、朝ドラヒット作のタイトルには「ん」がつく法則があるとときどき指摘されるが、「ん」を意識した部分は?
「そのジンクスは、わたしは後で知ることになったのですが、『マッサン』決定に至る局内での議論では、その話題は出ました」。また、毎週のサブタイトルには「鬼の目にも涙」「災い転じて福となす」「住めば都」「内助の功」など、ことわざや慣用句が使われているが、これは、脚本家の羽原氏のアイディアだそう。
「『ヒロインが知る日本』というものにもつながるということです。台本を書いた初稿の段階で、羽原さんから週ごとに提案いただいており、中には、撮影が終わってから相談し変更したものもあります」。 “ヒロインの目を通して見る日本”に、私たち日本人が改めて気づかされることも多いもの。マッサンとエリーの成長を見守りつつ、「日本」を再確認できるドラマなのだ。(取材・文:田幸和歌子)
連続テレビ小説『マッサン』は、NHK総合にて月曜~金曜 8時~8時15分/再放送 月曜~金曜 12時45分~13時、BSプレミアムにて月曜~金曜 7時30分~7時45分/再放送 月曜~金曜23時~23時15分/再放送 土曜 9時30分~11時(1週間分)放送。