岩井俊二監督に聞く、『花とアリス』なぜ実写からアニメに?
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岩井監督はこう話す。「アニメを選んだ理由ですが、友情の始まりを描くにあたり、当初の花とアリスの設定は小学生でした。また、(蒼井)優や(鈴木)杏にお願いするにもアニメだと声だけでいいと思っていたので、最初からアニメを想定していました。僕は、アニメ全般が好きなわけではありませんが、元々アニメは好きでしたし、自分でも絵を描くので、やってみたい、動かしてみたい、という想いはずっと持っていました」。
コンセプトも脚本も完成している。アニメーション制作に時間がかかるとはいえ、なぜ11年後の公開になったのだろうか。制作スタッフが教えてくれた。
「アニメーションで制作する可能性を探り続けていましたが、いわゆる“2D作画アニメ”は、アニメーション監督や作画スタッフに演出や芝居の大部分を任せることとなり、岩井監督自らが満足のいく制作体制を組むことが難しいと思われました。脚本が完成して10年近くが経過し、デジタル環境の進歩、監督が以前から興味を抱いていたロトスコープ、そして3Dアニメーション技術が進化し、今こそアニメーションで『花とアリス殺人事件』を、映像化できるのではないかと考えました」。
まさに、満を持しての新作公開。『花とアリス殺人事件』の完成度の高さは劇場でチェックしてほしい。