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高畑淳子の“クズ母”ぶりがスゴい 『Dr.倫太郎』で放つビビッドで異質な存在感

エンタメ

突き抜けた存在感と表現力で視聴者を圧倒する高畑淳子
突き抜けた存在感と表現力で視聴者を圧倒する高畑淳子(※「劇団青年座」HPからのスクリーンショット)

 堺雅人が心優しい精神科医を演じる『Dr.倫太郎』(日本テレビ系/毎週水曜22時)。第8話(6月3日放送分)では、「記憶」をテーマに、「解離性同一性障害」を持つ明良(あきら/蒼井優)の過去への思いなどが明かされた。そんななか、ネット上で大いに話題になっているのが、明良の母を演じる高畑淳子の見事なまでの“クズ母”っぷりだ。一部では「上手すぎて本当に腹がたつ」とまで言われる迫力の演技を振り返りたい。

【関連】『Dr.倫太郎』主演・堺雅人<フォトギャラリー>

 高畑演じる相沢るり子は、男にだらしなく、麻雀ばかりしているギャンブル好きの借金持ち。返済のために、娘の明良(蒼井)にたびたびお金をせびりに来る姿は強烈で、ツイッターには「倫太郎の見所は、高畑淳子の名人芸」 「高畑淳子の演技がもう狂気的で迫力ありすぎ」といったつぶやきが続出していた。

 そして、第8話。倫太郎と夢乃(明良の別人格)の路上キス写真を入手したるり子は、髪を振り乱して倫太郎の診察室に押しかけ、脅迫する。「日野倫太郎の倫は、“倫理違反”の倫ってわけねぇ。訴えて欲しくなかったら、この写真、買わない?」。即答で断った倫太郎を制し、写真の"金額"を聞く先輩・荒木(遠藤憲一)に「ごっぢの先生のほうがハ~ナシわがんじゃだいのぉ~」(こっちの先生の方が話わかるんじゃないの)と言いながら腕を小突き、倫太郎の椅子に足を広げて座り、5000万円という金額を提示。「払ってくれるわよねえ、倫理違反の先生? ヴェヴェヴェヴァヴァヴァ(笑い声)」。ここまでの高畑淳子の一連の動きや表情、言葉の配り、すべてが完璧だった。

 さらに、置屋の女将が、「5000万円払うから、明良にもう会わないで欲しい」と土下座して頼んだことで、お金の算段がつくと、娘・明良に別れを告げに行く。その「切り方」がまた、エグい。自分の娘の肩を執拗に撫でるような、ホコリを払うような、逆に汚れを擦り付けているような仕草を何度も繰り返しながら、言う。「あんたもう、必要なくなったってことだよ。元気でね。ばっはは~~~い(ドアップ!)」。怖すぎる。もうほとんどホラーです。

 実は高畑淳子の演技には、上記のような絶賛の声が多数ある一方で、「オーバーすぎる」といっ意見も一部にある。その理由はおそらく演技の質感が周りの誰とも違って、浮き立っているからだろう。

 役者さんたちの演技も演出も含めて、作品全体が夕暮れのような淡い色に包まれているなか、高畑淳子の演技だけが、異常に濃厚でビビッド。印象派の絵画の中に原色の絵の具を間違えてぶちまけたような、突飛で浮きまくった印象があるのだ。『半沢直樹』での香川照之の土下座が、ギャグにしか見えなかったように、達者すぎる、濃厚すぎる演技は、ときに恐怖とともに、笑いを誘う。

 突き抜けた存在感と突き抜けた表現力。劇中では「ばっはは~い」という異様な言葉を残して去ったが、まだまだ波乱がありそうな予感に、怖いモノ見たさでワクワクしてならないのだ。(文:田幸和歌子)

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