男優の演技が光る、アカデミー作品賞選出!サイコなA・ホプキンス、哀愁のR・クロウ

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第88回アカデミー賞の授賞式が近づいてきた。今年は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の作品賞、『クリード チャンプを継ぐ男』のシルヴェスター・スタローンの助演男優賞、そして4度目の主演男優賞ノミネートとなる『レヴェナント:蘇えりし者』のレオナルド・ディカプリオが、念願のオスカー受賞となるか…など話題が盛りだくさんだ。そこで、過去のアカデミー作品賞を受賞した作品の中から、男優の迫真演技が見どころの5作品をピックアップ!
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アカデミー作品賞受賞リストだけを見て「もっとも衝撃的な演技をした俳優が出演している作品はどれか?」と浮かび上がってきたのが『羊たちの沈黙』。サイコスリラーというジャンルが作品賞を受賞したのもインパクトがあったが、なによりもアンソニー・ホプキンス演じるハンニバル・レクター博士の言動、立ち振る舞いに背筋が凍った。自らの行動に対して一点の曇りなく正当化できるキャラクターは、彼が“異常人格者”ではないのではないか…と常識を疑ってしまうほどに完成度が高かった。
ラッセル・クロウが、妻子を殺され奴隷に身を落としながらも、復讐への炎をたぎらせる剣闘士マキシマスを演じた『グラディエーター』も印象深い。圧倒的な肉体美は言うまでもないが、後悔や怒り、憎しみなど内に秘める感情を寡黙ながらも体全体で表現する演技は筆舌に尽くしがたい。ダークサイドの皇帝コモドゥス扮するホアキン・フェニックスの“悪”ぶりも絶品だ。
そのほか、自閉症の兄を演じた『レインマン』のダスティン・ホフマン、不朽の名作『ゴッドファーザー』のマーロン・ブランド、吃音に悩まされたイギリス王ジョージ6世を演じた『英国王のスピーチ』のコリン・ファースも非常に印象に残る演技を披露している。
今回紹介した作品、主演男優の名演技は言うまでもないが、『羊たちの沈黙』のジョディ・フォスター(女優だが…)、『グラディエーター』のホアキン、『レインマン』のトム・クルーズ、『ゴッドファーザー』のアル・パチーノなど、対峙する相手役の存在が、彼らの魅力をさらに光り輝くものにしているのだと再認識させられた。(文・磯部正和)
<男優の迫真演技が見られるアカデミー作品賞5選(年度はアカデミー賞受賞年度)>
『羊たちの沈黙』(92)アンソニー・ホプキンス/ハンニバル・レクター役
『グラディエーター』(01)ラッセル・クロウ/マキシマス役
『レインマン』(89)ダスティン・ホフマン/レイモンド役
『ゴッドファーザー』(73)マーロン・ブランド/ドン・ヴィトー・コルレオーネ役
『英国王のスピーチ』(11)コリン・ファース/ジョージ6世役