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主役を食うSMAP稲垣吾郎、一癖も二癖もある“怪演”で唯一無二の存在感

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 ターニングポイントは、2010年、三池崇監督がメガホンを取った『十三人の刺客』の暴君・松平斉韶役だと推察される。同作の完成披露試写会やインタビューで三池監督は、「屈折した魅力がピッタリ、SMAPの見方が変わるはずだ」と大絶賛し、主演を務めた役所広司が「全員、稲垣くんを憎んでいた」というほど、史上最凶の暴君になりきっていた。稲垣本人は、当初、「なぜ自分にこの役を?」と戸惑ったそうだが、本作がヴェネツィア国際映画祭に正式出品されることを知り、「映画ファンとして興味があったので凄く楽しみ。どんな形であれ、自分の名前を覚えてほしい」と意欲を見せ、その極悪人ぶりは、毎日映画コンクール助演男優賞ほか数々の賞を獲得。この作品の評価によって、稲垣の心の中にくすぶっていた役者魂に完全に火が付いた。

 以降、「ステレオタイプの主役に興味なし」と言わんばかりに、稲垣は稲垣にしか表現できない難役に次々と挑戦。『流れ星』(フジテレビ系)、『ブルドクター』(日本テレビ系)、『ハングリー!』(関西テレビ・フジテレビ系)、『TAKE FIVE~俺たちは愛を盗めるか』(TBS系)、『福家警部補の挨拶』『HEAT』(フジテレビ系)など、いずれも個性の強い役どころだが、中でも『流れ星』の上戸彩をとことん苦しめるクズ兄貴ぶりは、視聴者から「嫌な奴」と本気で嫌悪感を持たれる声が続出したほどだ。

 映画『桜、ふたたびの加奈子』『おしん』など、ヒロイン映画を引き立てる準主役も余裕でこなし、湊かなえの小説を映画化した『少女』では高雄孝夫(たかおたかお)という苗字と名前が同じ響きで、寡黙で口数が少ない男を演じるという。現在公開中の映画『ヒメアノ~ル』で森田剛が連続殺人鬼役でファンを驚愕させているが、ジャニーズ屈指の演技派俳優・稲垣吾郎は、近い将来、さらに強烈なカウンターパンチを放つ予感がしてならない。(文・坂田正樹)

 ドラマ『不機嫌な果実』のDVD、ブルーレイBOXは10月19日発売。

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