“次世代のヴァン・ダム”スコット・アドキンス、肉体美とスタントなしの演技に注目
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「人間狩り」をテーマとした作品といえば、マイケル・ダグラスが主演した『追撃者』や『サバイビング・ゲーム』などがあり、殺し合いからの生き残りをかけたサバイバルという視点では『ハンガーゲーム』を思い出す人も多いと思う。しかし、本作はそれらの作品とは一味違っており、なんといっても“生身の闘い”が存分に繰り広げられるのが特徴といえる。
もちろん、勝ち残るためには身を隠したり、相手を出し抜いたりという頭も必要だ。時には銃を使う。しかし、本作では圧倒的に肉体を使った闘いに主眼が当てられているのだ。だからこそ、スコットの壮絶バトルシーンが生えてくる。鍛え上げられた見事な肉体から放たれる高速回転蹴りなど、カンフーアクション好きにはたまらないバトルが何度も登場し、胸が熱くなることだろう。
そして、ジョン・ウーの意思を受け継いだ、「ジョン・ウーDNA」も健在。『男たちの挽歌』や『フェイス/オフ』『レッドクリフ』など日本でも高い人気を誇るジョン・ウーは、男たちの熱い思いをクールなアクションで描いた作品が多い。中でも、彼の代表的なアクション表現法として、「2丁拳銃で華麗に立ち回る」「細かいカットに挟まれるスローモーション」「闘いと相反するような白い鳩」が挙げられる。さらに、教会や寺院といった宗教的建物を多用するのもジョン・ウーならではの手法だ。これらの手法は、本作でも、ふんだんに取り入れられている。主人公ウェスがバンコクで暮らす家の中に、白い鳩が映し出されたシーンを見れば、この作品にジョン・ウーの思いが強く息づいていることを感じずにはいられない。ジョン・ウー好きも必見の一作だ。
『ハード・ターゲット2‐ファイティング・プライド‐』ブルーレイ&DVD(セル価格3990円・税別)は11月18日リリース。