愛×音楽を描く天才、J・カーニー監督が『シング・ストリート』で描いたものとは?
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コニー少年の奮闘に胸を熱くしたり、ともに涙したりできるのは、自分に重なる等身大の主人公がそこにいるから。苦しみもがく彼の背中を画面越しに押しながら、いつの間にか、自分の中に滞っていた“わだかまり”を音楽とともに洗い流していたりする。見終わったあとの何ともいえない爽快感、開放感は、カーニー監督作品の真骨頂ではないだろうか。
さらに輪をかけて、今作は、デュラン・デュランやザ・キュアー、ザ・ジャム、モーターヘッドなど、ブリティッシュロックの大ヒットナンバーが全編を彩り、80年代をリアルタイムで過ごした40代にとっては青春プレイバック!若者世代にとってはカルチャーショック!愛と音楽を絶妙に融合させるカーニー監督は、大人になっても心のどこかに染み付いている青春のほろ苦さを思い出させてくれる貴重な“作家”といえるだろう。(文:坂田正樹)
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