湯の街・別府で映画を掛け続ける86歳館長の“別府シネマパラダイス”
関連 :
そしてそんな照館長の長年に渡る功績を称えんと、9月29日から10月1日の3日間、「第1回Beppuブルーバード映画祭」が開催された。会期中は平田満、津田寛治、西村知美、中原翔子、遠藤ミチロウ、村上虹郎、芸人のアントニー、女装家のブルボンヌといった多彩なゲストが来館。照館長の映画人生を祝福した。
「別府の駅前通りが、昔は人通りがゾロゾロあったんですけど、今は人が出るのは金・土ぐらいで日ごろはガランとしてますので、少しでも活気づけばと思って。準備期間が短かったのでお客さんの入りを一番心配しましたけど、まぁ何とか(笑)」。
映画祭では館長自ら映写機を操り、名作『蒲田行進曲』をフィルム上映。場内は満員の観客で冷房が効かなくなるほどの熱気にあふれ、エンディングで「キネマの天地」が流れると、客席からは手拍子が起こる。一体感ある上映に目を熱くした人の姿も多く見られ、「一生忘れられない映画体験」といった声も聞かれた。
「あんな風に“いつまでも忘れられない映画”っていうようなものを観て帰って頂くと本当に嬉しいです。別に夢っていうのもないけど、何とか健康な間は生涯現役でいたいなって思います」。
“映画は魔物”――そう言って笑う照館長は、今もその魔力に魅入られ別府で映画を掛け続けている。(文:しべ超二)
別府ブルーバード劇場
大分県別府市北浜1‐2‐12
0977‐21‐1192