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アンジャッシュ児嶋、役者で重宝される理由 『おっさんずラブ』も出演 

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俳優として映画やドラマへの出演が続くアンジャッシュ・児嶋一哉
俳優として映画やドラマへの出演が続くアンジャッシュ・児嶋一哉 クランクイン!

 『おっさんずラブ』(テレビ朝日系/毎週土曜23時15分)で、田中圭演じる主人公・春田創一の幼なじみで、ちず(内田理央)の兄、「居酒屋わんだほう」を営む荒井鉄平を演じているアンジャッシュ・児嶋一哉。笑いあり涙ありの濃厚かつハイテンションな王道ラブストーリーの中で、児嶋の登場シーンは、春田が愚痴をこぼしたり、泣き言を言ったり、相談したりできる癒やしの場所となっている。

【写真】ドラマ『ちびまる子ちゃん』で父・ヒロシを演じたアンジャッシュ児嶋

 通常、ドラマにおいてこの手のポジションには、色っぽく包容力ある年上のおかみやママ、事情通ながらも干渉してこない無口でシブいマスターが設定されがち。しかし、今作での児嶋のあり方はちょっと特殊である。幼なじみゆえの遠慮のない距離感で、話を聞いているのか、いないのか分からない雑な受け答えをし、一方的にゲテモノメニューを勧めてきたり、時には「もうお前、帰れよ!」と追い払ったりもする。たいして親身になるわけでもなく、適度に放っておいてくれる存在。これは実は息抜きの場として、一番楽な相手でもある。

 しかも、さまざまな人の熱く切ない思いが交錯する同作において、この居酒屋パートは、熱暴走を抑制する装置のような存在でもある。本筋と深く関わらず、不意に脱力させ、クスリと笑わせる。どうでも良い存在なのに、空気をガラリと変えてみせる。実は実力を要する仕事だと思う。作品にメリハリをつける「小休止」的ポジションがドラマに求められるケースは多い。

 例えば、児嶋は前クールの日テレ系ドラマ『もみ消して冬 ~わが家の問題なかったことに~』で、山田涼介演じる主人公の北沢家に出入りするクリーニング屋を演じていた。北沢家の事情に野次馬的関心を抱き、首を突っ込もうとしては執事たちに拒まれる滑稽さは、ひたすら激しく濃いやり取りを繰り広げるメインキャストたちの脇で、そこだけ色味が薄く、「愛すべき部外者」として光っていた。

 芸人が俳優仕事をするとき、本人の強烈な個性やパブリックイメージを利用した、いわゆる「当て書き」に近い起用法は多い。逆に、本人のイメージを逆に利用し、ギャップによって怖さや悪さなどを印象付けるケースも多数ある。だが、児嶋の役者仕事は、いずれとも違う。しいて言えば、共演者たちにツッコまれ、イジられるやりとりは児嶋的ともいえるが、何しろ本人に強烈な色がない。会話のテンポの良さや絶妙な「間」のとり方、言葉がなくとも、表情だけでじわじわ伝わってくる苛立ちや小さな不快感、不条理感などは、お得意の「すれ違いコント」を中心とした、細部まで緻密に構成されたシチュエーションコントによって磨かれたものだろう。大きな特徴のないスマートなルックスもまた、さまざまな役柄を演じられる汎用(はんよう)性の高さにつながっている。

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