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有村架純、『中学聖日記』の“逆転劇”を支えた力量と情熱

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 朝ドラ『ひよっこ』(NHK)では田舎育ちの普通の女の子・みね子のごく普通の日常を、安定感ある「受け」の芝居で演じ、高評価を得た有村。だが、その直後に、映画『ナラタージュ』で初のベッドシーンを披露。お茶の間の人気者になった朝ドラ・みね子像を自ら捨て去る大胆な挑戦には、頑なにも思える覚悟が感じられた。

 『中学聖日記』において、有村は「ひたむきで必死な思い」や「傷つく気持ち」「恋愛の苦しさと愚かさ」などを、感情が先走らぬように繊細に表現していた。また、『中学聖日記』の演出家・塚原あゆ子が監督を務める映画『コーヒーが冷めないうちに』でも、あえて抑えた引き気味の演技でリアリティーを感じさせていた。

 わかりやすい「キャラクター」を頭で作り上げるのではなく、感情によって突き動かされるのでもなく、「役柄」と正面から真面目に向き合い、深く考え、分析し、生身の人間としての自然なあり方に落とし込んでいく有村の演技。

 だからこそ、自らの中に必死で閉じ込めてきた恋心はいじらしく、それを「嘘」で隠すことをやめたときの、どん底にありながらもまぶしく強い輝きに、視聴者は惹(ひ)かれていったのではないか。

 数々の批判や非難を一身に受け止め続け、それでも真っすぐ純粋に「聖」として走り抜いた有村架純の力量と情熱に、心からの拍手を送りたい。(文:田幸和歌子)

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