あなたの好きな“ジブリヒロイン”は? 編集部のファン5人に聞いてみた
■ いろいろ優秀すぎるヒロイン、フィオ・ピッコロ(『紅の豚』より)
(C)1992 Studio Ghibli・NN
編集部員D(女性):“男のロマン”というイメージが強い作品ですが、実は魅力的な女性たちが大活躍する映画でもあります。大破してしまった主人公ポルコ・ロッソの愛機を新しく生まれ変わらせるのは、大恐慌で出稼ぎに行った男たちの代わりに、街に残った女たち。そのメカニックを担当するのが若干17歳のフィオ・ピッコロです。
大好きなポルコのために一生懸命尽くす健気な姿が印象的ですが、ああ見えて魔性の女の気質あり。キュートなルックスとまっすぐな情熱で、“アメリカ野郎”ことカーチスから一目ぼれされたと思いきや、ポルコを目の敵にする荒くれ者の空賊たちも、その純粋さであっという間に手玉に取ってしまいます。
ジーナという、ポルコをはじめみんながほれる最強にオトナな女性がいるため、準ヒロインに甘んじているように見えますが、魔法で豚になってしまったポルコが人間に戻る“ヒロインのキス”は彼女によるもの。最後は恋敵とも言えるジーナさんと友達になるという完璧な身の置き方。見習いたいです。
■ “生き方”を教えてくれたエボシ御前(『もののけ姫』より)
(C)1986 Studio Ghibli
編集部員E(女性):美しい黒髪、白い肌に映える赤リップが印象的なエボシ御前。作中、随一の美しさとリーダーシップを誇る彼女は、苦しい世界でも“己が道を生きるかっこよさ”を教えてくれた存在です。
過去に、海外に売られた経験があるというエボシ。“生きる苦しみ”を知る彼女は、自らが長となった村で、身売りされた女たちに居場所と仕事を与え、病気と差別に苦しむ者たちに手を差し伸べ、言葉にせずとも「共に生きよう」と訴え、多くの人生を変えました。
森の生態系を破壊し、サンや自然界のかたきとなってしまいますが、弱きを助け、村全体に活気を生み出したエボシは、作品のキャッチコピー「生きろ。」を体現する人物の一人と言えるのではないでしょうか。そんなエボシの下で働けたら幸せなんだろうな…とタタラ場でたくましく生きる女たちを見る度に感じます。かっこいい女たちって最高!