【本当に怖い】実在する心霊スポットが舞台の映画7選
●『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』(2018)
映画『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』(2018)より 写真提供:AFLO
事故物件ばかりが心霊スポットになるわけではない。米国カリフォルニア州サンノゼにあるこの大豪邸は、いわば「怪奇建築」だ。
名銃ウィンチェスター・ライフルで巨万の富を築いた実業家の老未亡人が、家族を見舞う不幸の原因が銃で死んだ怨霊の祟(たた)りと確信。霊障から逃れるべく、38年間、増改築を続行。霊を欺くために数々のトリックを仕掛け、どこにも続かない階段や極端に小さいドア、隠し部屋や秘密通路が設けられた。
映画はそんな怪奇建築の詳細を好奇心タップリに紹介しつつ、幽霊否定派の医師が老婦人の精神鑑定を任され、邸内で恐るべき心霊体験をする。喪服を思わす黒衣の老夫人に扮した名女優ヘレン・ミレンが幽霊相手に大奮闘。監督のスピエリッグ兄弟は心霊懐疑派を公言しているが、実際の屋敷でロケした際は、奇妙な体験をしたと言い出すスタッフが絶えなかったそうだ。
●『セッション9』(2001)
映画『セッション9』(2001)より 写真提供:AFLO
心霊スポットに不可欠なのが、その場所にまつわる因縁、暗い穢(けが)れに満ちた伝説だ。米マサチューセッツ州に実在したダンバース州立精神病院は19世紀後半に建てられ、今は禁止されたロボトミー手術やショック療法など、非人道的な治療が行われていた悪名高い施設。
1985年に閉鎖され、廃墟と化したこの建物で、本作は命知らずの撮影を敢行。公共施設への改修工事でアスベスト除去を任された5人の作業員が、患者の治療過程=セッションを録音した音声テープを発見し、そこに記録された狂える虐待の痕跡を紐解くにつれ、一人ずつ姿を消してゆく。
見どころはやはり、忌まわしい過去を秘めた廃墟に漂う「本物」の邪気。主演はドラマ『CSI:マイアミ』シリーズのデヴィッド・カルーソで「劇中に登場する小道具はどれも現場にあったもの。過剰なセット装飾など必要ない、恐ろしい場所だった」と証言している。(文・山崎圭司)