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【本当に怖い】実在する心霊スポットが舞台の映画7選

映画

『シャイニング』(1980)
『シャイニング』(1980) 写真提供:AFLO

 興収14億円超えの『犬鳴村』から、『樹海村』『牛首村』と展開する「恐怖の村」シリーズ、驚異の興収22億円を突破した『事故物件 恐い間取り』。今や心霊スポットは邦画ホラーの最前線を担うサブジャンル。そこで、今回は世界各国の心霊スポットを題材にした映画から新旧ホラーをご紹介。その魅力を探る!

【写真】『シャイニング』のモデルになったスタンリーホテル(本物)

●『シャイニング』(1980)

米コロラド州に建つスタンリーホテル(本物) (C)Avalon/Zeta Image
 本当に怖い、優良心霊スポットの条件はズバリ高確率で「出る」こと。長時間滞在すれば、その確率もあがる。宿泊可能な心霊スポット、幽霊ホテルでの体験談が多いのも納得だ。

 豪雪で休業中の巨大ホテルで管理人一家が体験する恐怖譚『シャイニング』は、モダンホラーの帝王スティーヴン・キングの代表作だが、実はキング自身の体験にインスパイアされた物語だ。

 1974年、キング夫妻は米コロラド州ロッキー山脈の麓(ふもと)に建つ由緒あるスタンリーホテルに宿を取った。ここは亡き創設者とその妻がさまよい、廊下を子どもが遊び回り、敷地内にあるペット墓地で犬と猫の霊が目撃される高感度な心霊物件。ホテルの冬期休暇直前、接客係の霊が常駐すると評判の217号室にチェックインしたキングは、自室の浴槽で誰かが死んでいたら…と妄想に背筋を寒くし、就寝中に3歳の息子が無限に続く廊下を消防ホースに追われる悪夢を見た。すっかり目がさえたキングはあっという間に『シャイニング』の骨子を書き上げたという。

 映画では浴槽から立ち上がる腐乱死体、赤くヒビ割れた顔で笑う男など、ショッキングな幽霊が総出演。うねうねと曲がる廊下に突然現れる双子少女の幽霊(原作は姉妹の設定だが双子ではない)も強烈で、「その方が気持ち悪い」と直感で変更した鬼才スタンリー・キューブリックのヴィジュアル感覚はやはり天才的。

●『コンジアム』(2018)

映画『コンジアム』(2018)韓国版ポスター 写真提供:AFLO
 心霊スポットを探検するなら、スケールが大きい方が手応えがある。人里離れた寂しい山中に佇む巨大な精神病院廃墟に、ネットで人気の動画配信チームが挑む本作は、韓国で封切られると『箪笥』に次ぐ歴代ホラー2位を記録する大ヒット。

 映画のモデルは「CNN選出の世界7大心霊スポット」や「韓国3大肝試し聖地」に輝く京畿道広州市の昆池岩(コンジアム)精神病院。「患者の変死が続く」「院長は自殺」「オーナーは失踪」と不穏な噂が絶えない物騒なスポットだ。

 本編ではスマホに小型のアクションカメラ、広角レンズ、ドローンを駆使してリアルな映像を追及。恐怖の震源地に主観映像でアタックする感覚は、日本の心霊テレビ番組や動画サイトのライブ配信に近く、ドッキリ怪奇現象や幽霊出現シーンの手数も豊富。心霊スポット探検を手軽に楽しめる体感型の快作だ。

●『カタコンベ』(2007)

映画『カタコンベ』(2007)より 写真提供:AFLO
 心霊スポットは我々の日常とは違う異界。死者の領域である墓地も肝試しの定番だ。真夜中に訪れる近所のお寺も風情があっていいが、フランス・パリの地下に広がる納骨堂=カタコンベは、およそ600万人の遺骨で埋め尽くされているというから、やはりスケールが違う。人骨を安置した地下坑道は複雑に入り組んでおり、ときには行方不明者も出るという。

 このカタコンベを舞台にした本作では、心霊スポット巡りと殺人鬼ホラーが合体。フランス留学中の姉に誘われ、地下納骨堂で行われるレイブ・パーティーに参加した内気なアメリカ人女性。だが、姉は謎の怪人に惨殺されてしまい、彼女は無数の遺体に取り囲まれた暗闇にたったひとり取り残され、逃げ惑う。

 この映画をプロデュースした『ソウ』シリーズの製作者グレッグ・ホフマンは、撮影後に首の痛みを訴え、病院で急逝。映画は1年近く製作が中断された。まだ42歳の若さだった。

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