松下洸平、井浦新、赤楚衛二、町田啓太 秋ドラマは“社長を支えるメンズ”が大活躍
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10月クールドラマは会社社長の活躍が目覚ましい。そんな中『最愛』(TBS系/毎週金曜22時)と『SUPER RICH』(フジテレビ系/毎週木曜22時)では、女性の社長をとりまく男性たちの存在もまた作品を彩る魅力のひとつになっている。ときに甘え、ときに頼もしくリードし、ときに社長の謎を解き明かそうと躍起になる…。そんな社長を支えるメンズに心ほだされるのもまた事実。今回は『最愛』から宮崎大輝(松下洸平)、加瀬賢一郎(井浦新)、『SUPER RICH』から春野優(赤楚衛二)、宮村空(町田啓太)、それぞれの魅力をひも解いていきたい。
【写真】ドラマの中での松下洸平、井浦新、赤楚衛二、町田啓太
■愛と正義の狭間で苦悩 忘れられない初恋の男・宮崎大輝
『最愛』の社長・真田梨央(吉高由里子)の初恋の相手にして、彼女を取り巻く殺人事件を調べる刑事でもある宮崎大輝。大学時代には、梨央と家族ぐるみで親しくしてきた大輝が、自らの手で梨央や弟の優(高橋文哉)を追い詰める情け容赦ないストーリーに心が引き裂かれそうになる。梨央を心から大切に思っているからこそ、刑事としてその無実を証明しようとしていた大輝は、結果的に優を連行することになってしまう。梨央と優を守りたい、しかし刑事としての責任がある、そんな板挟みの感情を真摯(しんし)に表現するのが松下洸平だ。
これまでさまざまな役柄に挑戦してきた松下が、本作では正義感にあふれた一本気な男を泥臭く演じる。松下の芝居の真骨頂こそ、この「正義」に対峙(たいじ)する感情の揺れにあるだろう。これまでも真っすぐ過ぎるほど誰かを愛し、向き合う役を演じてきた松下。今回は刑事として真相を突き止めようという姿と、大切な人への思いに苦しむ誠実さが実に松下らしく、そこには色香すら漂う。大輝の考える「逃げずに真実と向き合うこと」が必ず梨央を助けることにつながると一縷(いちる)の希望を信じて、先を見守りたい。
■強さと信念を兼ね備えた弁護士・加瀬賢一郎
真田ウェルネスの弁護士であり、法的手段を用いてさまざまなことから梨央の立場を守る存在が加瀬だ。白川郷から出てきた梨央を温かく迎え入れ、どんな時も一番近くで支えてきた。梨央だけでなく梨央が大切に思う優のことも気にかけており、仕事とプライベートの両面で無くてはならない存在でもある。大輝と離れてからの梨央のそばにはいつも加瀬がいて、梨央が困っている時も心細い時も支えてきた。ときには父親代わりに、ときに恋人のような親密さも見せ、何気ないやりとりは兄妹のようでもある。加瀬にとっての梨央の存在がどんな類いの「愛」なのかは明らかにされていないが、大切な相手であることには違い無いだろう。
加瀬を演じるのは『あのときキスしておけば』(テレビ朝日系)で中身が別の女性に入れ替わってしまう男性を演じ、その類いまれな芝居のセンスで視聴者をとりこにした井浦新だ。圧倒的な包容力と、少し影を感じさせるこの役にこそ、井浦のどこかひょうひょうとしたイメージが無くてはならないスパイスとなったように感じる。長い時間を共にし、共犯めいた絆ができるにつれ余計に魅力を放つ罪深い男だ。