小松未可子、パートナーはお互いにライバル 情熱に刺激を受け「私も負けていられないな」
――小松さん自身はこれまでの人生で、少女漫画的な展開を経験したことはありますか?
小松:まだコロナ禍前でキャスト全員が集まってアフレコしていたときに、そういう展開があったんですよ! アフレコでは、4本のマイクがブースに置いてあって、出演者が入れ替わりながら収録していたのですが、色々なキャラクターが一気にセリフをしゃべるとなると、慌ただしく入れ替わらないといけない場合もあって。
私とある男性声優さんが入れ替わるときに、ちょっとぶつかってしまったんです。「ヤバい。ぶつかってしまった」と思っていたら、耳元で「あっ、ごめん」ってめっちゃ低音イケボでささやかれたんですよ。
――その低音イケボの方は…?
小松:佐藤拓也さんです。
――イケボ!
小松:もし、あれが仕事じゃなくて、それこそ少女漫画的なときめく場面だったら、落ちる人は落ちていたんじゃないかな(笑)。色々な職業の人が主人公の少女漫画がありますが、声優で恋愛系の少女漫画を作るなら、こういうシチュエーションはありだと思いました。
――そういう少女漫画があれば読んでみたいです。先ほど趣味や仕事を優先してきたという話がありましたが、小松さんは仕事と恋愛ってどういう関係にあると思いますか?
小松:人によって色々なタイプや考えの方がいらっしゃいますよね。恋愛がダメだと何もかもやる気が出ないという方や、どちらかに没頭しないと集中できない方とか。私は上手く相乗効果をもたらせるタイプかも。仕事も恋愛も、上手くいけばモチベーションにつながるし、どちらかが上手くいってなくてももう一方に没頭できる、という感じですね。
――ちなみに、結婚する前と後では、仕事と恋愛への価値観に変化はありましたか?
小松:パートナーが同じ業界で仕事をしているので相談がしやすいのですが、お互いがライバルでもあるんですよね。私が上手くいかなくてパートナーが上手くいっていたら、悔しいなって思うこともありますし、「これってどう思う?」っていうディスカッションをすることもあります。
そうやってお互いをちゃんとリスペクトしていて、価値観も共有できているからこそ、仕事への責任感やモチベーションがより保てている気がしていますし、以前に増して、責任感を持って仕事へ臨めるようになっているかも。同業であるが故にお互いの看板を背負っていて、それぞれに恥じないように頑張らないといけないっていう感覚で仕事に臨めています。
――まさに、相乗効果ですね。
小松:そうですね。パートナーの作品に対するリスペクトや情熱の注ぎ方を目の当たりにすると、刺激を受けます。「そういうモチベーションでやっているんだ、私も負けていられないな」って。お互いにいい刺激を与えながら、これからも頑張っていきたいですね。(取材・文:M.TOKU)
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