野村周平、NY留学が転機に スルースキルを身につけ迎える30代は「より自由に生きる」
クロちゃんのがっしりとした体型や、トレードマークのソプラノボイスも、笑いが込み上げるほどの再現度で演じているが、野村は「特別な役作りはしていないんです」と語る。独特の口調やソプラノボイス、放つオーラも「クロちゃんの出ている番組は、以前からよく観ています。特に研究せずとも、その蓄積があったので」とクロちゃん愛があったからこそ完成したものだ。
「僕は地声が低いので、ソプラノ声を出すには、“こうかな?”と現場でスタッフさんと確認しながら、調整していきました。歌うようにしながら、そこにぶりっ子な感じをプラスして」と秘訣を披露。さらに「ドラマの撮影前や撮影時には、炭水化物を抜いて、サラダや鶏肉、スープだけにするなど、たいてい食生活を節制したりするものなんですが、今回はそれをやる必要がない。ビールを飲んで、夜中にラーメンを食べて…と、食べたいものを食べる。最高ですよね(笑)。欲のままに生きることが、クロちゃんの役作りにつながりました」と目尻を下げる。
『クロちゃんずラブ~やっぱり、愛だしん~』より (C)Paravi
「クロちゃんが女の子のグラスをなめたりすることも、欲のままに生きているからですよね。“何も我慢しなくていいよ”と言われたら、やっちゃう男子はいっぱいいるんじゃないかな」とクロちゃんを演じる上では、“欲の解放”が重要なエッセンスとなった様子。「短時間で、なぜこんなに役に入り込めたのかは謎(笑)。クロちゃんを演じている時間は、まるでUSJに行っているようでした。アトラクションです」と声を弾ませた。
そしてなにより、現場の熱気が大きな力になったと続ける。野村は「みんなものすごく楽しみながら、作品に臨んでいました」と切り出し、「後半にかけて、どんどんアドリブを出せるようになって。クロちゃんが染み込んでいるから、何をやってもクロちゃんになる感じがあって、みんなもめちゃめちゃ笑っていました。毎日、現場が3時間くらい巻いて終わるんですよ」と勢いに乗った撮影を回顧。「“予定より早く撮り終わっちゃったから、こういうこともやってみよう”“こういうものも撮ってみたい”、“いいね、それ!”など、毎日みんなでアイデアや意見を出し合っていました。“現場ってこうあるべきだよな”と感じられる、素晴らしい現場でした。自分の力を100パーセント出させてくれる現場であれば、こちらもそれ以上の全力を出したくなる」と充実感にあふれている。