『ONE DAY』二宮和也、3つの物語が同時進行する新機軸は「試みとしては斬新だけど、心意気としては間違ってない」
二宮和也、中谷美紀、大沢たかおがトリプル主演を務める新月9ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系/毎週月曜21時)。クリスマスの1日を1クールかけて描く本作で、記憶をなくした逃亡犯・勝呂寺誠司役を演じる二宮和也にインタビュー。
【写真】記憶喪失の逃亡犯を演じる二宮和也
本作は、人々が思い思いに過ごすクリスマスイブという“たった1日”の出来事を、1クールで描く謎と愛と奇跡の物語。主人公は別々の人生を歩んできた、全く関わりを持たない3人の男女。それぞれの物語が同時並行で進行していくが、次第に運命の交錯へと導かれていく。
二宮が出演する通称「逃亡編」には、江口洋介、中川大志、松本若菜、中村アンらが顔をそろえる。二宮と江口の共演は、2000年放送のドラマ『涙をふいて』以来23年ぶり、中川、松本、中村とは初共演となる。
◆“1日の話”ということはあまり意識していない
――3つのお話が同時進行し、3ヵ月かけてクリスマスの1日を描くという本作。出演オファーを聞かれた時の印象はいかがでしたか?
二宮:3つの話が同軸で進んで行くので、うまく伝わったら面白くなるんだろうなっていう感じがしています。僕は正直1日だろうが何日だろうがあまり関係ないと思っているんです。1日といっても過去の描写も物語で出てくるところもあり、観ている皆さんもそこまで1日の話っていうことを気にされないんじゃないかな。どちらかというと3つの話を観るっていう感じになるのではないでしょうか。
――大沢さんの“レストラン編”、中谷さんの“キャスター編”と二宮さんの“逃亡編”と3つの軸がありますが、3本の間でのすり合わせなどは意識されますか?
二宮:3つの話ということに関して、僕は全体がものすごく分離しているイメージだったんです。なので、うちのチームは(画面が)白黒でもいいんじゃないかとか、画質の話からずっとバリバリやっていたんですよね。
でも、ここまで入り組んじゃうと、いきなり白黒になっても視聴者の皆さんは意味が分からなくなるし、今はもうちょっと同軸感を強くしている感じですね。
――“逃亡編”の中ではどういうところがポイントになってくる感じでしょう?
二宮:ポイントというか、やんなきゃいけないことというのは、説明をどこまで減らせるかっていうことになってくると思うんですよね。話が3つあって1時間しかなくて、それを同時進行していくときに、説明だけで終わっちゃうと、何がやりたかったんだって話になるので…。説明の削るところと残すところ、その裁量をどこまでやっていけるのかっていうのが、どちらかっていうと課題なんじゃないかな。物語自体を楽しんでもらうためのさじ加減が重要かなっていう。なにぶん3本(の軸が)あるんで、出ている人たちで考えてやっていかないと大変だなと思います。
――今回演じられる勝呂寺誠司というキャラクターはどんな人物でしょうか?
二宮:基本的にはなんもしなくていい役なんです。言っていることも本当か嘘か分からないし…。それくらいフラットです。いちいち物事に驚くとか、喜ぶとか悲しいとか怒るとか、そういうのはないんじゃないかな。全部本当なのか、嘘なのかっていうところから始まっていくので。自分の名前も知らないし。ほかの2つの物語との対比をどこまで出せるかっていうことのほうが重要かなっていう気がしていますね。
――役作りで意識されているところはありますか?
二宮:記憶喪失の人なので、実際はこういう感じなんですよっていう感覚や状況を先生に教えていただいたのですが、それが見ている人にハマるのかっていったら僕はハマらないと感じたんです。なので、今まで表現されてきた記憶喪失であるものの、あるあるではないですけど、「あ、この人は記憶喪失なんだな」って分かるようなムーブをしたいなと思っています。
(勝呂寺は)割とちゃんとしている人と対等にしゃべったりもするので、こんなにしゃべるのかとか、そういうことも含めて、いろんな相談をしているところですね。監督も何回もご一緒していて、昔からずっと知っている人なので、現場であれこれやり取りしている感じです。