映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』小野賢章&富田美憂「気持ちが動かないと、声やお芝居には乗ってこない」
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――お互いが演じるキャラクターの印象についてお聞かせください。
小野:ツムギは人との距離の詰め方が直球。遠慮しがちな柊とは対照的と言えるかもしれません。天真爛漫に引っ張ってくれるところがすごく魅力的な子だと感じています。
富田:確かに、序盤はツムギに翻弄される柊みたいな関係性ですよね。でも、物語が進んで行くうちに、柊に引っ張ってもらう場面もあって。ふたりはツムギのお母さんを探す旅に出るのですが、ツムギから見て柊がどんどん頼もしい存在になっていっているなという印象を受けました。
映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』場面写真(C)コロリド・ツインエンジン
――お互いのお芝居についてはどのような印象をお持ちですか?
富田:賢章さんは、私が仕事を始める前から色々な作品でお声を聞いていた先輩なんです。当時からずっと変わらずに一線で活躍されていて。本作では、15歳の少年役を演じていらっしゃいますが、若さって声の高さだけで表現できることじゃないと思うんですよね。声優は性別も年齢も超えて役を演じられる役者ではあると思いますが、いざ実年齢より何歳も下のキャラクターを演じるとなったとき、私は悩んじゃうと思うんです。それをやってのける賢章さんはすごいなと思いました。何かふだんから意識されているんですか?
小野:少年の役を演じるときは、気持ちの面ではやっぱり若くいたいかなって。そのために、自分と世代が離れている年下の子と共演するときはできるだけ「遊ぶときは何をしているの?」って聞くようにしていて。
富田:そういえば、私も聞かれました!
小野:聞いたよね(笑)。最近何が流行っているのかなどを聞いて、アンテナを張って、できるだけ遅れを取らないようにしています。あとは前日にしっかりと蒸気を吸ってノドを整える。それはやっていますね。
小野賢章
――自分よりも若い方々のことを知ることで、芝居に生かされていることがある。
小野:どうなんでしょうね。でもやっぱり気持ちが動かないと、声やお芝居には乗ってこないと思います。元気なキャラクターをやるなら気持ちも元気に。少年の役をやるなら、気持ちも若く。年齢をなるべく感じさせないようにするというのは、気を付けています。ただ本作に関しては、柊はツムギに引っ張ってもらう場面が多々あって。序盤は特に自分で何かを発していくというよりも、ツムギから発してもらったものに対して受けるというお芝居が多かったんです。だから、富田ちゃんに引っ張ってもらい、若くしてもらいました(笑)。
富田:いやいや、そんなことないです!
小野:実際に富田ちゃんとは10歳差ありますから。でも、すごいなと思いました。僕の10年前を思い返してみると、こんなに上手にはお芝居できなかったですから。言葉にものすごく力があります。ただただ尊敬です。
富田:ありがとうございます。私は逆に、賢章さんに色々と助けていただいたなと思っています。「ここ、アドリブでお願いします」というシーンでも、助け舟を出してくださって。とてもありがたかったです。
富田美憂