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浅野忠信&大森南朋、“お笑い将軍”を前に挑んだ全力コメディ 「光栄」も、「かなり悩みました」

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(左から)大森南朋、浅野忠信
(左から)大森南朋、浅野忠信 クランクイン! 写真:上野留加

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 北野武監督が「実験的な作品」と語ったAmazon Original映画『Broken Rage』がPrime Videoにて配信がスタートした。本作は北野監督が監督・脚本・主演を務め「暴力映画における笑い」をテーマに、前半は殺し屋の奮闘を描くクライムアクション、後半は同じ物語をセルフパロディで描くという意欲作だ。そんな作品でビートたけし演じるねずみに捜査協力を求める刑事を演じたのが北野組常連となる浅野忠信と大森南朋。共にとびきりの実力派俳優だが、やはり北野武監督は非常に大きな存在であるようだ――。

【写真】浅野忠信×大森南朋、黒ジャケで合わせたスタイリッシュな2ショット

■大森南朋「浅野くんの真似をしちゃダメ」が合言葉

――同じストーリーでありながら、前後半でまったく違うテイストで演出される物語のなか、刑事役として出演したお2人ですが、とても息がぴったりでした。これまでも長く共演されていますが、お互いをどんな存在だと思っているのですか?

大森:本当に長いですからね、僕らは。僕ら世代からいうと浅野くんは、早くからトップにいた人なので。それでやっと少し近づいたかなと思ったらアメリカ進出して。最初からまったくブレていない。浅野くんにしかできない芝居をする。当時僕らのなかで「浅野くんの真似をしちゃダメだ」というのが合言葉でした。浅野くんを目指している子たちはみんなダメになっている。それぐらい憧れの俳優でした。

浅野:いやいやそんな……。大森さんは今回もそうですが、前作の『首』のときも、めちゃくちゃ頼りになる方。大森さんは無謀な球でもキャッチしてくださる。僕はセリフがぶっ飛んでしまったりすることもあるのですが、大森さんが全部包み込んでくださるので。本当に頼りになる方です。

Amazon Original映画『Broken Rage』場面写真(C)2025 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.
――本作では、後半部分でかなりパロディというか、笑いの部分を演じることになりました。

大森:居酒屋で人を笑わせるのとはわけが違いますので。しかもお笑い将軍のような北野武さんの前でやるわけですからね。僕らはたけしさんの番組を見てきたので、台本からどういうことをやりたいのかを読み取ろうとするのですが、プロの芸人ではないので、かなり悩みました。悩んでいるうちに撮影が終わってしまった感じです。それでも現場に立てたことはものすごく楽しかったし光栄でした。

浅野:本当にずっと『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)とか『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)とかを見てきた世代なので、たけしさんの前で「笑い」をやるのは大変なことですよね。ちゃんとお笑いの方から勉強してから臨みたかったというのはありますが、そんなチャンスをいただけたというのは、すごく光栄なことでしたね。

――実際、お2人が笑ってしまっていたような場面も劇中には出てきますが、大変だったシーンはありましたか?

浅野:後半パートで、僕と大森さんが「このビルにいるからちょっと行ってこい」と言って、たけしさんが車から降りて出て行ったところがありましたよね。そのときたけしさんは覆面を被っていて、僕らが「覆面はやめろ!」って声をそろえて言うシーンがあるじゃないですか。そのときたけしさんが覆面を被ったままあるポーズをとる。あれは本当に予想外だったんです。いきなりやられて。あれを見たとき僕は完全に素になりましたね「あっ、ビートたけしだ!」って(笑)。

大森:そうそう、たまにビートたけしさんになるんです(笑)。

浅野:そうなんです。ずっと現場では北野武監督としているのですが、急にビートたけしさんになるんですよ。「あれ、いままでの北野武監督はどこに行っちゃったんだ」って。でも近くでたけしさんのコミカルな芝居を見られるなんて、本当にラッキーです。

Amazon Original映画『Broken Rage』場面写真(C)2025 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.
大森:僕は車の中で、浅野くんと僕が盗聴しているとき、屋根に頭をぶつけるシーンがパロディパートにありますが、あそこはたまらなかったですね。結構な中堅俳優が一生懸命タイミングを合わせてぶつけるという(笑)。唯一あそこのシーンだけ、監督から「もう1回やろうか」って言われまして……。そのときの状況が結構おかしかったですね。

浅野:本当にいろいろなことを一生懸命やりましたよね。もう一生懸命やるしか手段がない。下手にウケを狙おうみたいなことは本当に通用しないんですよね。真面目にやるしかないんです。

――唯一「もう1回やろうか」と言われたという話がありましたが、基本的にはいつもの北野監督のようにあまりテイクを重ねない感じの現場でしたか?

大森:そうですね。だから失敗したのかどうかも分からない(笑)。その代わり、たまにカットがワンカット増えたりすることがありました。そうさせてしまっていたのかもしれませんが(苦笑)。

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■『Dolls』『座頭市』も 北野武監督との胸アツエピソード

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