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浅野忠信&大森南朋、“お笑い将軍”を前に挑んだ全力コメディ 「光栄」も、「かなり悩みました」

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■『Dolls』『座頭市』も 北野武監督との胸アツエピソード

――世界の北野監督。これまでもたくさん作品に参加していますが、お2人にとって監督はどんな存在ですか? また監督から掛けられた言葉でうれしかったエピソードはありますか?

大森:北野映画に出たいというのが夢だったので、北野監督は絶対的な存在ではあるのですが、現場では監督の作品のなかで生きた人間になりたいという思いを抱かせてくれる方ですね。僕は『Dolls』という映画で初めて北野組に参加しました。端役だったのですが、その後監督から「昔はセリフ一言だったけれど、頑張っているな」と言ってもらえたときは、すごくうれしかったです。

浅野:僕は『座頭市』という映画で、たすき掛けをするシーンがあったんです。家でめちゃくちゃ練習して撮影に臨んだのですが、一度練習会みたいな機会に監督の前で実践したら、まげの高さをまったく意識しないで練習していたのでうまくいかなかったんです。そのとき北野監督が「これじゃあカット割らないとダメかな」とつぶやいたんです。本当は1発撮りを予定していたのかなと思って、やばいと思ったんです。そこからさらに猛練習してテストに臨んだら、うまく決まって。そうしたら監督が「1発で行こう」と言ってくれたんです。それはめちゃくちゃうれしかったですね。やれば認めてくれるんだと自信になりました。

浅野忠信
■『SHOGUN 将軍』のヒット「コロナ禍により配信で作品を観るという習慣が根づいた」

――本作は、ベネチア国際映画祭に正式出品され、世界配信されます。『SHOGUN 将軍』も世界で大旋風を巻き起こすなど、国境がボーダレスな時代になってきたと感じますが、俳優を始めたときから世界というのは意識されていましたか?

大森:僕は浅野くんみたいに海外に積極的に出ていくわけではないのですが、若いころから日本映画が海外の映画祭で結果を残して帰ってくることが多かった気がするんです。その作品のなかに自分も俳優として参加したいという思いはありました。北野監督や浅野くんみたいな俳優さんが出てきて、より距離は縮まったのかなという実感はあります。でもこの質問は国境を飛び越えていった浅野くんに語ってもらいましょう(笑)。

浅野:一番はコロナ禍が大きかったのかなと思います。世界中がパンデミックになってエンタメがストップするなか、配信で作品を観るという習慣が根づきましたよね。しかも字幕文化がなかった地域でも、字幕で作品を観るようになったり。かなりいろいろな意味で可能性が広がった気がします。

大森:本当に『SHOGUN 将軍』のおかげです。

浅野:『SHOGUN 将軍』も字幕で観ていただけることで大きく広がっていきましたからね。

大森:そこに挑戦した真田広之さんもすごい。

浅野:本当にすごい方です。とても大きかった。

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――日本映画が世界で評価されることと、海外作品に日本の俳優や監督が挑むという2つのパターンがあると思いますが、日本映画の矜持みたいなものを意識して作品に参加することはありますか?

大森:僕はそういう意識はあまり持っていないんです。感覚的にはボーダレスというか。日本映画だから、海外映画だからということではなく、単純に面白い作品に出会えたらいいなという。それが日本の作品でも海外の作品でも、あまりそこに意識はないです。

浅野:僕もあまりそういう考え方はないかもしれません。ただ『SHOGUN 将軍』でも海外の人からいろいろな感想をいただくなかで「日本という国や文化をこうやって見ているんだ」と発見することもありました。それは日本を意識するいい機会になりましたが、僕もあまりどこの国の映画だから……という意識は低いかもしれませんね。

――“世界のキタノ”と認知されているにも関わらず、常に新しいチャレンジをしている北野監督の姿勢をどう感じていますか?

浅野:刺激しか受けていません。僕はずっと北野監督の真似をしているだけだから。僕ももっともっと自分が思いついたことをやるべきなのかなと、いまは思っています。

大森:大先輩であり巨匠なのに、始めたての人のようにどんどんアイデアを出してくる。僕らは間近でお話を聞かせてもらうことがあるのですが、とにかく面白いんです。昔からファンでしたが、こうして出会ってからもずっと憧れの存在。近くにいさせていただくだけでも光栄ですし、喜びです。ただ真似をしていてもうまくいかないと思うので、僕は自分のペースで頑張っていきたいです。

(取材・文:磯部正和 写真:上野留加)

 Amazon Original映画『Broken Rage』は、Prime Videoにて世界独占配信中。

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