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石見舞菜香、心を揺さぶる演技の裏側──“信じること”で辿り着いた強さと優しさ

アニメ

■原作を大切にしながら、新たに作り上げる『YAIBA』の世界

――刃役の高山みなみさんとの掛け合いの中で、印象的だったエピソードを教えてください。

石見:みなみさんは本当に温かい方で、こちらが萎縮しないように、すごく自然に接してくださるんです。そのおかげで、安心してお芝居に集中できました。でも、最初はもう圧倒されっぱなしで、ただただ必死についていく感じでしたね。収録初日から、立ち振る舞いやセリフ回しの巧みさ、すべてがまさに“刃そのもの”で、すごい方とご一緒しているんだなと実感しました。

とくに印象的だったのは、発声の仕方です。みなみさんをはじめ、ベテランのみなさんの声の“飛び方”がすごくて、セリフがスッと前に届くんです。最近はマイクの性能が良くなったこともあり、比較的小さめの声でも拾ってもらえることが多いのですが、今作は昔ながらの熱量やテンポ感を大切にしているので、しっかり声を前に出すことが求められるんです。そうした演技のニュアンスを、現場でみなみさんの声を間近で感じながら学べたことは、とても貴重な経験でした。

――同世代が多い現場ではなかなか経験できない空気感というか。

石見:そうなんです。同世代のキャストさんもいますが、それ以上にベテランのみなさんが多く、特別な空気感があります。でも、みなさんすごく温かくて、“後輩を置いていかない”んです。むしろ、新しい世代を巻き込みながら「みんなでいい作品を作ろう!」という雰囲気を作ってくださるので、思い切って挑戦できる環境だと感じています。

加えて、この作品は毎回のように新しいゲストキャラクターが登場するのですが、初めて参加される方に対して、みなみさんが必ず声をかけてくださるんです。キャラクターのイメージをどう掴もうか悩んでいるときも、「みんな同じ道を通ってきたんだから大丈夫。全然気にしないで、何回でもやろう!」って。その一言で空気がふっと和らぐんですよね。私自身もそうでしたし、そうした温かい雰囲気があるからこそ、安心してお芝居に向き合える、本当に素敵な現場だなと思います。


――また、今作は青山剛昌先生監修のもと、アニメオリジナルの展開もあるとのことですが、演じる中でとくに新鮮に感じたことはありますか?

石見:原作では少ししか登場しなかったキャラクターが、準レギュラーのような立ち位置でたくさん登場したり、物語に深く関わるようになっていたりするのが、新鮮でしたし、すごく嬉しい変化だなと感じました。

それに、青山先生がアニメを本当に楽しみにされているのが伝わってきたんです。先生の期待や想いを受けて、監督をはじめ制作陣も、細部にまでこだわりながら作品を作り上げているのが印象的でした。

キャスト陣も原作への愛を持って演じていて、たとえば鬼丸役の細谷佳正さんも「自分の中の鬼丸はこういうイメージだ」と台本を読みながらディスカッションをされていました。みんなが一緒になって、新しい『YAIBA』を作り上げているんだなと現場で実感しました。

――そうした自らの解釈を全員が持ち寄ることで、より良い作品になっているんですね。ちなみに、青山先生と現場でお話しする機会はありましたか?

石見:はい、とても気さくな方で、1話のアフレコのときも「さやかの“バーカ”のシーンにこだわるために今日来たよ!」なんて、ジョークを交えながら話されていました(笑)。さらに、台本にさやかちゃんのイラストとサインまで描いてくださって、世界的に有名な先生なのに、サービス精神が旺盛で本当に素敵な方だなと感じました。

私自身、幼い頃から青山先生の作品を見て育ったので、まさか直接お会いできるなんて思ってもいませんでした。『名探偵コナン』はもちろん、ずっと親しんできた作品ばかりで、みなみさんとの共演も含めて、「こんな素敵な方々が作った作品に触れて育ってきたんだな」と改めて胸が熱くなりました。

だからこそ、『真・侍伝 YAIBA』も世代を超えて多くの方に楽しんでいただきたいですし、土曜の1時間、「青山剛昌アワー」として『名探偵コナン』とともに、視聴者のみなさんと一緒に盛り上がれる時間を作れたら嬉しいですね。

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■役者として貫く“強さ”とは?

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