50歳迎えたサンドウィッチマン 「ちょっと何言ってるか分からない」のルーツを語る
富澤:別に仲良くないですし。
伊達:特別に仲良いだろ!(笑)
――(爆笑)。
伊達:たぶんそれ(プライベートは仲良くないコンビ)は関西系の芸人さんだと思いますね。僕らがずっと見ていたのは、さまぁ〜ず(当時バカルディ)さんとかで。上京してすぐ一緒に野球をした時、二人で一緒に車で来ていて、すごく仲が良くて、その頃から僕らが目指すところや関係性は、ずっとさまぁ~ずさんなんです。仲の良さを見せないような人たちに、僕らはあまり会っていない。ネタやっているコンビはだいたい仲良いですよ。
富澤:そもそも仲の良さを隠すっていうのが、分からないですね。
富澤たけし
――例えば学校のクラスなどで、女性同士はおそろいのモノを身に着けるなど、仲良しアピールする子もいる一方で、男性同士で仲が良いと周りに茶化されるようなことはありませんでしたか。
伊達:僕らは部活(ラグビー部)が一緒だっただけで、クラスは一緒になったことがないからなぁ。でも、確かに、うちの娘も友達とおそろいのモノ買うとか、やっているかも。
富澤:そういう仲良しアピールの意味が分からない。
伊達:僕らは同じモノなんて何一つ持っていない。同じになったら最悪だよな。
富澤:たまにTシャツとか同じモノをもらったりするんですよ。だから、「今日あいつこれ着てきそうだな」と思ったら、さりげなくズラしたりするのに、たまに合っちゃうんですよ(苦笑)。
――これだけ長い付き合いだと、お互いに近付いている部分もありませんか。昔の動画などを拝見すると、今の方がお二人は似ている気が…。
富澤:それは太ったからでしょう。
伊達:昔は細かったけど、体型が一緒の感じになってきたから。
――(笑)。コンビの出発点は、富澤さんが伊達さんを3年がかりで口説いたことだったそうですが、そもそも伊達さんのどこにそんなにも惹かれたのでしょう。
富澤:面白いところ。周りにツッコんだりする人って、他にいなかったから。ネタを作る時にツッコミとしてイメージしやすかったんですよ。
――ネタ作りの土台に伊達さんのツッコミがあるわけですね。富澤さんの「ちょっと何言ってるか分からない」というボケは、すごい発明だと思うんですが、それは実際にお二人の会話の中から生まれたものなんですか。
富澤:高校時代から普通に言っていましたよ。
伊達:みんな言っていたよね。
――どんな高校ですか(笑)。でも、高校時代にすでに誕生していたのはすごいですね。実際に伊達さんが何言っているか分からなかったわけじゃないですよね。
富澤:分からなかったわけじゃない(笑)。
伊達:ホントに分からなかったらヤバいでしょ(笑)。でも、よく考えると、みんな言っていますよね。
――言ってます。でも、みんなサンドウィッチマンさんのマネです。
伊達・富澤:(笑)。
(左から)伊達みきお、富澤たけし
――お二人の意外なルーツが見えてきました(笑)。では、50歳を迎えた今、それぞれドラえもんにお願いしたいひみつ道具は何でしょうか。
伊達:いっぱいあるけど…結局、タイムマシンですかね。迷うのは、過去に行くか未来に行くか。やっぱり過去に行くかな。伊達政宗さんってどういう人だったんだろうと思うので。ただ、タイムマシンってこの先もずっと作られないんですよね。もし作られていたとしたら、この世界にもう未来から誰かが来ているはずだから、それが残念です。
富澤:僕は暗記パン。年を取ってから、ネタ覚えにくくなってきているから。
伊達:ネタ覚えられるでしょ。自分で書いているんだから。
富澤:暗記パン食べれば一発だね。
――(笑)。最後にお互いのリスペクトするところを教えてください。
富澤:忙しくても休みの日はどこかに行くし、睡眠時間が短くても疲れた顔を全然しないところですね。
伊達:最近ちょっとガタがきてますけどね(笑)。(富澤は)ちゃんとネタを作ってくれるところですかね。サンドウィッチマンはやっぱり漫才とコントが軸なので。それを責任持ってやってくれるところはずっと尊敬しています。
(取材・文:田幸和歌子 写真:高野広美)
映画『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』は公開中。