スピルバーグ監督の『ジョーズ』がすばらしい理由とは? 『ジュラシック・ワールド』コンビが語る映画作りで大切なこと
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――観客はたくさん要求しますね(笑)。
デヴィッド:みんな欲しがるけど、全部は手に入れることはできない。子どもがクッキーをもっとねだるのと同じです。袋丸ごとはあげられないんだよ、体に悪いから。4つまでならいいけど、それでもたくさんのクッキーだってね。私も『ジュラシック・パーク』が公開された時、12歳の子どもたちから手紙の束が届いて、みんな「映画の大ファンだ」って書いてくれたんです。ただ、手紙の最後には「次の映画では島に着くまでにあんまり時間をかけないでね」って言われましたよ(笑)。
ギャレス:脚本を読んだ時点で、キャラクターが良いってことは監督の立場から言えば最高の仕事ができるということなんですよね。たとえば映画を最後まで仕上げて、それを観客が観に行ったとする。でも「ビジュアルはよかったけど、登場人物が嫌いだった」とか「キャラクターはどうでもよかった」とか「物語はイマイチだった」とか言うんです。そして僕が思うに、監督として最も難しい仕事は、“これら”が起こるのを防ぐことなんですよ。これらをその作品の共通認識として持たせてはいけないんです。
映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』場面写真 (C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.
──なるほど。
ギャレス:だから今回、脚本を読んだ時、本当は気に入りたくなかった。嫌いだったら映画を作らなくて済むから(笑)。ところが最初の15ページを読めば、書き手が何をしたいのかわかるものですが、僕は読みながら「くそっ、これはめちゃくちゃ面白くなるやつだ」と思って、結局最後まで読んでしまいました。一番驚かされたのは、読んでいて全ての登場人物のことを本当に理解できたことなんですよね。三次元化されたみたいに、非常に具体的だったんです。
映画作りにおいて一番苦労する要素の全てが、もう皿の上に乗っていると感じた。それは本当に魅力的なことで、なぜなら自分の仕事……つまり視覚的な部分を加えれば上手くいくって最初からわかるからです。