TBS田村真子アナ、ビリビリ椅子が「すごく嫌な時期があった」 来年迎える30代は“心のゆとりある生活”を
「30分でも長かったオープニングの時間が1時間になり、2時間まるまるオープニングの回も出始めてきたんですよね。そうするとゲームなどのやることが増えて、一段階進行が大変になっていきました。今は赤荻さんも進行を担当しますが、それまではめちゃめちゃしんどかったというか…進行しながらビリビリ椅子も受けなきゃいけなくて(笑)。だからビリビリ椅子がすごく嫌な時期があったんです。今よりも頻繁に、ほぼ毎日ビリビリ椅子を罰としたゲームをやっていた時がありまして、やっぱり人間は結構な頻度で来ると嫌になってくるんですよね。『今日もまたゲームに失敗してビリビリ椅子を受けなきゃいけない』と考えると、そっちに意識を取られすぎて、ADさんが出しているカンペを見逃したりすることもありました。全然、視界に入らないんです(笑)。この時期は、出勤するのに気合いがいりましたね」と振り返る。
田村も「ちょっとおかしいな」と感じるほどビリビリ椅子が頻繁に登場する時期を経て、以前よりは登場が緩やかになったという現在。今は楽しみつつ進行ができるようになっていると言うが、そんな仕事の合間で書かれたエッセイは、執筆中に苦労もあったそう。
『TBSアナウンサー・田村真子1stフォトエッセイ 陽がのぼるほうへ』誌面カット 撮影=藤本和典
「文章を書いてきた人間ではないので、読んでいただく人に面白いと思ってもらえて、読み進めやすい文章ってどんな感じだろうと、書いては読んでを何度も繰り返して書き上げました。毎回締切を設定いただいて、ゆとりを持って書き上げるようにはするんですけど、どうしてもギリギリにならないと文章が出てこないんですよね。書きたいことは書けるんですけど、読んでもらうための文章となると1日前にならないと指が進まなくて。自分でも良くないなと思いながら、こういう人間なんだろうとハラハラしながら書いていました」と語る。しかし担当編集は「でも、1回も締切が遅れなくてすごいなって思いました、そんな人いないので…」と苦笑い。田村も笑いながら「ちゃんとしてる方でした?(笑)」と胸をなで下ろす。
続けて田村は、文章を書くことはアナウンサーとして言葉を伝えるより「好きかも」と吐露。「文章を書くのと口で話すのって全然違って、自分のことを話して伝えるのって実はあまり得意じゃないんです。特に放送中にワンショットでカメラに抜かれて何かを言わなきゃいけないっていうのがいまだに苦手なんですよね。文章の方が自分の言葉を吟味して書き上げられるので、アナウンサーという話す仕事ではあるのですが、文章で表現する方が好きかもしれないです。好きって言っていいのかな(笑)。生放送は緊張感もあって、自分の真意がちゃんと伝わっているのかが不安になってしまうタイプなんです。もちろん文章を考える大変さもありましたが、楽しかったです」。
本著に収録される、60ページ以上の大ボリュームのフォトストーリーの撮影では「ヒルなんていないよ」と語る陽気なカメラマンのすぐそばでスタッフがヒルにかまれるというハプニングもあったと笑いながら振り返る田村。執筆時も撮影時も楽しい思い出が次々と出てくる本書に、田村が込めたメッセージは「悩みがあってもみんな頑張ろう」だとまとめる。
ヒルが出たという山奥で撮られた写真 『TBSアナウンサー・田村真子1stフォトエッセイ 陽がのぼるほうへ』誌面カット 撮影=藤本和典
「割と自分自身のことや、自分が普段考えている頭の中のことを出したような文章に仕上がりました。人前に出るお仕事をさせていただいて、番組中はニコニコし、『ラヴィット!』も楽しくやらせていただいているんですけど、その中で葛藤や悩みを抱えながら頑張っているんです。わたしって能天気そうな感じがあるので、職場では『悩みがなさそうでいいよね』って言われることもあるのですが、めっちゃ自分のことを分析しているんですよ!(笑)。本の帯にも“思考の旅”と書いていただきましたが、すごく考える人間なんですね。日常のちょっとしたことを考えたり、仕事が終わって帰ってから内省したり、常に頭で何かを考えています。これまではその考えが堂々巡りして終わっていたのですが、今回のエッセイでは頭の中を書き出せたので、多分テレビで見てくださる印象よりも割と考えているタイプなんだと伝わると思います(笑)。きっと自分の年に近い人には共感していただけると思うので、こんなことを言える立場ではありませんが『みんな!頑張ろう』という気持ちです」。
ただ「献本する機会があると思うのですが、わたしの本を渡されても皆さん困るんじゃないかな」と少し自信なさげ。“読んでもらいたい人”を挙げてもらうと、本著の帯を書いた麒麟・川島と、『ラヴィット!』放送中の合間で「全部自分で書いてんの、すごいな」と褒めてくれたという、おいでやす小田の名前が上がった。一方で“読んでもらいたくない人”は少し悩みつつ、「(相席スタートの)山添(寛)さんには渡したくないですね」と苦笑い。「『意外と考えるタイプやったんや(笑)』とか言われそうで。オンエアで触れていただく分にはありがたいんですけど、ちょっと恥ずかしいです」と言い、『ラヴィット!』の番組キーワードでいじられることも懸念していると語った。
来年は、2月3日に田村が30歳を迎え、3月29日に『ラヴィット!』が5周年を迎えるという節目の年。田村に「どんな20代だったか」と「30代を迎える今後」について聞くと「私にしかできないキャリアの積み方」を目指したいと話す。